東京五輪の主役候補が躍動!! 中山雄太が3年前のACLで味わった悔しさを胸に突き進む!

2018年01月31日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

U21日本代表の森保一監督が視察に訪れた一戦で確かな存在感を発揮!!

東京五輪の主力候補である中山雄太はACLでプロ1年目の悔しさを晴らせるか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[ACLプレーオフ]柏 3-0 ムアントン・ユナイテッド/柏
 
 森保ジャパン候補生が今季初の公式戦で堂々たるプレーを見せた。
 
 1月30日に行なわれたACLプレーオフのムアントン・ユナイテッド戦。柏でレギュラーを掴んで3年目を迎える中山雄太は積極的な守備で最終ラインを牽引した。
 
 2月から広島に加わるタイ代表のティーラシン・デーンダー、仙台やC大阪でプレーをした経験を持つへベルチなどを相手に怯まず真っ向勝負。序盤こそセカンドボールを拾えなかったためカウンターを浴びる場面があったが、後半は安定感のある守りを見せた。とりわけ、目立ったのが前での潰し。本人が「フリーで持たれたら、いろんなことが出来る選手が多かった。なので、マッチアップした選手に対しては前を向いて仕事をさせないという意識でプレーをしていた」と言うように、簡単に前を向かせないアプローチでピンチを未然に防いだ。
 
 中山が言う未然に危険を回避するディフェンスは下平隆宏監督も重要視しており、ハーフタイムには「ボールを持てる時間が長いのでカウンターを未然に防ぐというところでリスク管理は(監督に)かなり厳しく言われた」という。指揮官からの指示通り、後半はアグレッシブな守備で相手に自由を与えず、修正能力の高さを見せつけた。
 
 3-0で快勝を収め、柏は3年ぶりにACLの本選に駒を進めた。当時を知る者が少なくなったなかで、中山はアジアの戦いを経験した選手のひとりだ。ルーキーイヤーに出場した2試合は「1年目のACLではほぼ何もできなかった」と本人が振り返るようにパワーや技術面を含めたすべての面で大きな差を痛感させられただけに、今回のACLは自身の成長を示す場となる。
 
「変わったものはたくさんあると思うのですが、これというのではなく結果とともに自分の成長を見せたい」という言葉で、中山はACLへの意気込みを語った。アジアの舞台で活躍を見せれば、自ずと東京五輪にもつながってくるだけに鼻息は荒い。1月に行なわれたU-23アジア選手権では疲労を考慮され、U-21日本代表には未選出となったが、昨年5月のU-20ワールドカップで日本代表の主将を務めた男は、もちろん森保一監督の構想にも入っている。指揮官もこのムアントン戦を視察し、守備の柱として大きな期待を掛けているのは間違いない。
 
「本当にJリーグやACLでしっかりと結果を残せれば、東京五輪は自ずと見えてくる」(中山)
 東京五輪の主役候補が、久しぶりのACLでどのようなプレーを見せるか楽しみだ。

【ACLプレーオフ 柏3-0ムアントン PHOTO】クリスティアーノと伊東が活躍し柏が3季ぶりの本大会出場決定!

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
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