またしてもバルベルデ采配がバルサを救う!コウチーニョはスタメン出場を果たすも…

2018年01月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

勝利を呼び込んだ「イニエスタを残す」という選択。

3人目の交代の場面で、ピッチを去ったのはイニエスタではなくコウチーニョだった。今シーズン全公式戦を通じて一度もフル出場がなかったキャプテンを残すという指揮官の判断は、吉と出た。(C)Getty Images

 現地時間1月28日に開催されたリーガ・エスパニョーラ21節、バルセロナ対アラベスの一戦は、先制を許す苦しい展開を強いられながらも、ホームのバルサが2-1で逆転勝利を飾った。

 バルセロナのエルネスト・バルベルデ監督は、3日前に行なわれたコパ・デル・レイ準々決勝第2レグのエスパニョール戦でデビューしたフィリッペ・コウチーニョをスタメンで起用した。

 バルサの中盤はセンターにイバン・ラキティッチとパウリーニョを配し、右にコウチーニョ、左にアンドレス・イニエスタという並び。コウチーニョは持ち前の卓越した個人技で、序盤からカンプ・ノウを沸かせた。右サイドにとどまらず、2列目を幅広く動きながら、リオネル・メッシやアンドレス・イニエスタとの細かいパス交換によって密集地帯を攻略する。

 しかし、先制点はアラベスに生まれる。お手本のような堅守からの速攻。メッシのボールを奪うと、イバイ・ゴメスの自陣からのパスを今冬にセルタから加入したヨン・グイデッティが持ち込み、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンの右を破った。

 このゴールシーンにかかわらず、前半はアラベスの堅守とキレ味鋭いカウンターが目をひいた。枠内シュートの数もアラベスが4でバルサが3。バルサは敵将アベラルドの術中にまんまとハマっていた。

 この状況でバルサのバルベルデ監督が後半に講じたのは、51分という早い時間に左右のサイドバックを同時に代えるという大胆策だった。ネウソン・セメドとリュカ・ディーニュを下げ、セルジ・ロベルトとジョルディ・アルバをピッチに送り込んだ。

 この交代によって、バルサの攻撃は一気に活性化されたが、一方でコウチーニョの存在感が薄れていく。するとバルベルデ監督は65分、すかさずこの新加入MFに代えてFWのパコ・アルカセルを送り込む。本来ならイニエスタを休ませる時間帯だが、そうした"セオリー"に縛られない柔軟な判断こそ、バルベルデが名将と言われる所以だろう。

 指揮官の采配は、ずばり的中した。72分、バルサはついにアラベスの堅守をこじ開けることに成功。左サイドを流れるようなドリブルで持ち上がり、ルイス・スアレスのボレーをお膳立てしたのは、イニエスタだった。

 そして試合を決めたのは、メッシだった。84分、パコ・アルカセルが倒されて得た直接FKを、再三の好守を見せていたアラベス守護神フェルナンド・パチェコの鉄壁を破ってネットに突き刺したのだ。

 メッシはこのゴールで10シーズン連続のリーガ20得点を達成。土壇場で試合をひっくり返したバルサは、終盤にサミュエル・ウンティティの明らかなハンドが見逃される幸運もあり、2-1の勝利を収めている。
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