【鹿島】敵将も「まだ全然…」と指摘 “新10番”金崎夢生の本領発揮は「これから」

2018年01月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

テスト的な要素も強い布陣で、トレーニングマッチ2試合は無得点に。

宮崎キャンプでの練習試合では結果が出なかったが、金崎自身も本領発揮はこれからだと考えているようだ。

 J2徳島相手にシュート0本に終わり、前半だけでベンチへと下がった新「10番」の金崎夢生。宮崎合宿3連戦は、低速のギアのままで真価を証明することはなかった。
 
 23日の初戦、JFLのテゲバジャーロ宮崎戦で81分間プレーし、中1日のJ2ツエーゲン金沢戦は欠場し、徳島ヴォルティス戦で金森健志と2トップを組み先発出場した。しかし、大岩監督が「守備の時間が多かった」と振り返ったように積極的に仕掛けてきた徳島を相手に、チームは序盤から後手に回る展開。中盤の守備が機能しなかったことで、前線の2人がラインを下げて守備に翻弄する姿が目立った。
 
 ボランチの2枚に三竿健斗と久保田和音が入り、センターバックには昌子源と犬飼智也のコンビ。いくつかのポジションでテストが行なわれたが、各ラインで堅固なブロックを築くことができずに、金崎らアタッカー陣までもがズルズルとポジションを下げてしまった。
 
 攻撃に転じても、後方から良質なパスが送られることはなかった。金崎と連動した中盤からのビルドアップがなく、フリーランニングで「出して、出して」とボールを呼び込む姿勢は見せるが、これに呼応するボールは配球されなかった。敵将のリカルド・ロドリゲス監督は「テレビでプレーは何度も見たことがあるが、まだ(状態は)全然仕上がってない感じだ。彼はゴール前で脅威となるが、周りがその良さを引き出すパスを出せていなかった。逆にうちとしては起点を抑えたのは大きい」と語った。
 
 金森が左に流れ、同サイドでレアンドロらと連動したのとは対照的に、金崎が流れる右サイドでは経験の少ない田中稔也や、加入間もない犬飼、内田篤人がプレー。田中が「自分をもっと知ってもらう必要がある」と話したように手探り状態で、初めてともにピッチに立つ選手たちばかりだった。当然のように連係面の未熟さは目についたが、そこはあくまでも練習試合。テスト的な要素が大きく、現時点での戦術的な評価は難しいところだ。
 
 金崎個人としては格下との練習試合2戦で結果を出せなかったが、まだ焦ることはないだろう。12月のE-1選手権で日本代表戦に出場した選手の始動は遅く、金崎の新シーズンも始まったばかり。本人もマイペースな姿勢を見せ「寒くて身体ガチガチ。(調子を上げていくのは)これからだね」と前向きに話す。
 
 2017年はキャリアハイとなる12得点を記録した金崎。昨季も低調なスタートだったが、開幕ではしっかりと合わせてきただけに、新シーズンで「10番」を背負うエースの仕上がりに期待が集まる。
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