香川の鮮やかな先制弾も虚しく…拙攻とミスで苦しんだドルトムント、年明け未勝利は続く

2018年01月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

アディショナルタイムで劇的に追い付いたが…

公式戦では4試合未勝利となるドルトムント。攻守のバランスを保ちながら、気持ち良く勝ち切れる時はいつ到来するだろうか。 (C) Getty Images

 1月27日(現地時間)、ブンデスリーガ第20節が行なわれ、ドルトムントは2-2でフライブルクと引き分けた。

 過去2戦を引き分け、まだ2018年に入って勝利のないドルトムントが、前節で上位のRBライプツィヒを下すなど、高いポテンシャルの誇るフライブルクをホームに迎えた一戦。香川真司はリーグ戦6試合連続のスタメン。また、規律違反、アーセナルへの移籍話など、様々な話題を振りまいているオーバメヤンも3試合ぶりにピッチに登場した。
 
 立ち上がりからしばらくは交互にボールを持ち合う互角の展開だったが、9分に早くも均衡が破られる。
 
 カストロがゴール前に縦パスを入れ、右から入ってきたピシュチェクが角度のないところからシュートを放つと、ボールは両チームの選手に当たりながら浮き上がる。これに反応した香川が、バイシクルでのボレーで合わせてゴール左隅に叩き込んだ。
 
 香川にとって今シーズン5得点目となるダイナミックかつ美しい一撃でリードを奪ったドルトムントは、時間の経過とともに攻勢を強めていく。連動性が機能し、スピードもある攻撃はアウェーチームに幾度も脅威を与えていった。
 
 しかし21分、フライブルクは反撃に転じ、右サイドでスルーパスを受けて抜け出したハベラーがライナー性のクロスを入れると、走り込んだペーターセンがダイレクトで合わせてニアを撃ち抜くダイナミックなゴールで同点とする。
 
 この後は膠着状態が続くが、良さを見せたのはフライブルク。その精力的な守備がドルトムントに決定的なプレーを許さず、オーバメヤンにはピシュチェクのクロスを頭で受けた32分の1本しかシュートを撃たせず。逆に40分にはキュブラーのダイレクトボレーという決定機を生み出した(GKビュルキが後ろにこぼすも、ゴールライン手前でキャッチ)。
 
 香川はトップ下に近い役割を担い、いつも通りに縦に広く動いてプレーに多く絡む。守備時には相手GKに対してプレッシャーをかけにいき、また自陣深くまで戻ってボールを受け、攻撃では相変わらず絶妙なポジショニングを披露。決定的なのはゴールぐらいだったが、効果的なプレーは多々見られた。
 
 後半、開始とともにドルトムントはカストロに代えてゲッツェを投入。これで香川は過去数試合同様、インサイドハーフの右に移行。組織で揺さぶりながらフライブルクの堅守を攻略しようとするチームのなかで攻撃に絡み、60分にはペナルティーエリア左側への走り込みでスルーパスを引き出して惜しいシュートを放つ(わずかに枠外)。
 
 しかし、次なる勝ち越しの1点はアウェーチームが奪う。68分、敵陣の浅い位置でシャヒンのバックパスを奪ったペーターセンがそのままシュート。ボールは懸命に戻るビュルキを嘲笑うかのようにクロスバーぎりぎり下を通過してゴールネットを揺らした。
 
 1点を追う立場となったドルトムントは、交代策で攻撃の駒を増やしてフライブルク・ゴールに迫るが、しっかり人数をかけ、粘り強く守るアウェーチームの壁を崩すことはできない。クロスははね返され、シュートも確率の低い遠めからのものに限られた。
 
 そして敗色濃厚で突入したアディショナルタイム、92分にヤルモレンコが右から上げたクロスに対するフライブルクのクリアが小さくなったところを、トリャンがダイレクトで叩いてゴール。土壇場でドルトムントは追い付いた。
 
 しかし、苦しんでの勝点1獲得はファンの望むものではなく、試合終了とともにスタジアムはブーイングに包まれる。シュテーガー体制になって大崩れはしなくなったものの、年明けは攻めあぐんで勝ち切れないという、ストレスの溜まる試合が続いているのだから当然だろう。
 
 3試合引き分けに終わったドルトムントは次節(2月2日)、昇り調子の最下位ケルンと敵地で対戦する。シュテーガー監督にとって感慨深き古巣との対峙であり、香川と大迫勇也の日本人対決など、見どころ満載の一戦で勝点3と勢いを得ることができるだろうか。
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