今季初陣で輝いた38歳の“ルーキー”ミキッチが湘南を選んだ理由は?

2018年01月22日 高澤真輝

「自分は38歳だと思っていないし、30歳の選手だと思っている」

湘南に新天地を求めたミキッチ。福島との今シーズン初戦でも躍動感あふれるプレーを見せた。写真:田中研治

 湘南は21日、Shonan BMWスタジアム平塚にて『SHONAN×FUKUSHIMAフットボールフェスティバル2018』が開催され、福島とのプレシーズンマッチに臨んだ。その中でひと際大きな歓声を浴びたのは今季から完全移籍加入したMFミキッチだ。右サイドをディフェンスとの絶妙な間合いから繰り出す仕掛けとクロス。さらには縦横無尽に逆サイドまでプレッシングに行くハツラツとした走力。前半45分のみのプレー時間となったが随所にストロングポイントを披露し、攻撃陣を牽引する存在となっていた。
 
「身体をいじめている時期なので身体が重いですし、みんな自分の思ったとおりにはいかなかったところもあったと思う。だけど大事なのはこういう試合でゲームへの気持ちを見せることだと思うので、その部分はできたと思います」と振り返るように、今年初の実戦を2-0と、まずまずの結果でスタートを切った。
 
 ミキッチは09年から17年まで広島に在籍。12年と13年にリーグ連覇に貢献し、酸いも甘いも経験が豊富でJ1での戦い方、勝ち方をよく知っている選手でもある。その素晴らしい経歴を持つ右サイドアタッカーが湘南を選んだのは曺貴裁監督の存在が大きいのだという。
 
「昨年末に監督とはたくさん話をしました。私がここに来たひとつの大きな理由も曺さんの存在です。彼のコンセプト、やっているサッカーのスタイルというものに共感するものがあった。ここで自分の力、経験を活かしていきたい」
 
 指揮官は新体制会見の中で「若い選手はヤングルーキーとして、年齢のいっている選手もオールドルーキーとして、そういう気持ちでプレーしてもらいたい」と話し、一方でミキッチも「自分は38歳だと思っていないし、まだ30歳の選手だと思っている」と、二人の描いている絵は同じ。サッカーに年齢は関係ない。いくらでも成長の余地はあるのだ。
 
「とにかくまだまだ自分自身は成長できると思っているし、毎日のトレーニングで何かを吸収して新しいことを学びたいという意欲が自分にはある」

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