ヘタフェの柴崎が2トップの一角で先発出場。難敵ビルバオとドローも存在感を発揮できず

2018年01月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

フィジカルな展開に持ち味をかき消され…。

2トップの一角で2試合連続のスタメン出場を果たした柴崎だったが、今シーズンのビルバオが得意とするフィジカルな展開に完全に持ち味を消された。こういう試合でこそ、なにがやれるかを示しておきたいところだったが……。(C)Getty Images

 現地時間1月19日に開催されたリーガ・エスパニョーラ20節、ヘタフェ対アスレティック・ビルバオの一戦は、2-2のドローに終わった。

 先制したのは、アウェーのビルバオだった。13分、CBエメリック・ラポルトからのダイアゴナルのロングフィードを、イニャキ・ウィルアムスが走り込みながらのダイレクトボレーで合わせ、ヘタフェGKエミリアーノ・マルティネスの頭上を破った。

 ゴール前への折り返しを狙ったボールが、ミスキックによりゴール方向に流れて入った一撃だけに、ヘタフェにとっては不運な1点と言えた。

 ただ、ヘタフェもすぐに追いつく。21分、ショートカウンターからドリブルでペナルティーエリア内に進入したホルヘ・モリーナが、勢いよくゴールマウスを飛び出したビルバオGKイアゴ・エレリンに倒され、PKをゲット。これをJ・モリーナがみずから叩き込んだ。

 前節に続き、2トップの一角でスタメン出場を果たした柴崎岳は、前半の走行距離でチームトップの5.6kmを記録したように、J・モリーナの周囲を衛星のように動き回って必死に後方からのボールを引き出そうとしたが、ビルバオが得意とするフィジカル任せの単調な展開に持ち味を消され、なかなか試合に入り込めなかった。

 後半開始直後には、立て続けに両チームにPKが与えられる珍しい展開。だが、48分にビルバオのラウール・ゴメスが難なく決めたのに対し、この日2本目のPKで考えすぎてしまったのか、その3分後にJ・モリーナが放ったボールはGKエレリンに完全に読まれ、枠の外へ弾き出された。

 もしこのPKが決まり、同点に追いつけていれば、その後の展開も変わっていたのだろう。しかし、1点を追う形になったヘタフェのホセ・ボルダラス監督は55分、FWのアンヘル・ロドリゲスを投入。ベンチに下がったのは、柴崎だった。

 前節のマラガ戦では、後半から左MFに回って持ち前の頭脳的なプレーを披露した柴崎だが、肉弾戦の様相を呈しつつあった試合には向かないと判断されたのだろう。結果的にこの采配は的中し、ヘタフェは74分、柴﨑に代わってピッチに入ったアンヘルの8試合ぶりとなるゴールで同点に追いついた。

 試合はそのままドローに終わり、互いに勝点1を加えたものの、柴﨑にとっては、不慣れな2トップでの起用だったとはいえ、不満の残るゲームとなった。

 J・モリーナが累積警告で出場停止となる次節は、アウェーのセビージャ戦。ロシア・ワールドカップ出場をめざす柴崎にとっては格好のアピールの場となるが、はたして3試合連続のスタメン出場を果たし、結果を残せるのか――。
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