ボカ復帰のテベス、中国行きは“銭稼ぎ”だった? 「中国移籍はバカンス」「何をしているのか分からなかった」

2018年01月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

古巣への想いの強さを口にしたテベスの目標は?

念願だったボカ復帰を果たしたテベスが、中国移籍の真相を地元メディアで明かした。 (C) REUTERS/AFLO

 カルロス・テベスの中国での生活は約1年足らずで終幕した。当人にとってサッカー発展途上国でのプレー期間は、「バカンス」という位置づけだったようだ。
 
 この1月に上海申花から古巣のボカ・ジュニオルスに復帰したテベスは、現地1月15日、アルゼンチンのスポーツメディア『Tyc Sports』の取材で、中国での生活について回顧している。
 
 テベスが中国へ渡ったのは、2016年12月だ。2年で世界最高額となる週給72万ユーロ(当時のレートで約8900万円)を手にするかたちで上海申花に電撃移籍を果たしていた。しかし、クラブスタッフから太り過ぎを指摘されるなど、ベストコンディションには程遠い状態だった。
 
 さらにテベスは言葉や文化も違えば、サッカーに対する考えが大きく異なる中国でのプレーに不満をこぼしてもいた。
 
 そして、今年1月9日に上海申花との契約を解除し、ボカへと復帰を果たしたテベスは、『Tyc Sports』に対して、「中国に着いた時からボカに戻ると決めていた」と当時の心境を告白している。
 
「中国に到着した時から『俺はボカに戻りたい』と感じていた。だから契約を交わした時に戻るための条項を盛り込んだのさ。中国での7か月はバカンスだった。正直、自分でもそこで何をしているのかわからなかったんだ。俺は本能でここに戻ってきた。ボカのユニホームを着て引退するつもりだ」
 
 また、中国での生活は、「入ったばかりなのに10番のユニホームに、キャプテンマークも巻いて、俺はアイドルのように扱われた」と、少し違和感を覚えるものだったともテベスは振り返っている。
 
 中国リーグへの移籍当初、一部のボケンセ(熱狂的なボカ・サポーター)から「守銭奴」と批判を浴びていたテベス。今回の復帰に際して、「その不満は分かる」と愛するクラブのサポーターへ理解を示した。
 
「サポーターが俺の退団の仕方に納得していなかったのは理解している。当然の反応だ。あの時の状況では、何をしても彼らを傷つけてしまうことになっていた。でも、今回の決断は彼らも喜んでくれると思う」
 
 1月9日に行なわれた復帰会見で、「ボンボネーラ(ボカの本拠地)でプレーする前に感じるアドレナリンが恋しかった」と喜びを口にしたテベスは来月5日に34歳となる。キャリアで残された時間は本人が、「あと2年だ」と明かした通り、長くはない。そのなかで目指すのは、南米の頂だ。
 
「コパ・リベルタドーレスを戦う責任は重大だが、今こそ優勝を目指すべき時だ。俺もそのために戻ってきた。ボカに7年ぶりの南米王者の称号を与えるために全力を尽くすよ」
 
 はたして、アルゼンチン・サッカー界きっての点取り屋は、2003年以来、自身2度目の南米王者に輝けるのだろうか。
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事