強豪アトレティコをあと一歩のところまで追い詰めたエイバル。乾貴士も「危険人物」でありつづけたが…

2018年01月14日 海外日本人

立ちはだかった「オブラク」という壁。

左サイドでフル出場を果たした乾。終盤には鋭いカットインから決定機を作ったが……。(C)Getty Images

 どしゃ降りの雨の中で行なわれたリーガ・エスパニョーラ19節、エイバル対アトレティコ・マドリーの一戦は、1-0でアウェーのアトレティコが勝利。乾貴士を擁するエイバルはホームの声援を受けて果敢にアタックを仕掛けたものの、最後までヤン・オブラクを中心としたアトレティコ守備陣の鉄壁を崩せなかった。

 リーガでは直近の7試合で負けがなく、7位にまで順位を上げていたエイバルは、最初から最後まで圧倒されつづけたわけではない。前半終了時のボールポゼッションは62%と、むしろ大きくリードしていた。

 だが、試合はアトレティコのペースだった。その証拠に、エイバルの前半のゴールチャンスはゼロで、シュートもシャルレスが放った1本だけ。乾も動き自体は悪くなかったが、縦に抜け出す得意のドリブル突破は相手に研究されていたのか、この日は対峙するシメ・ヴルサリコを思ったように攻略できずにいた。

 エイバルは後半開始と同時に右サイドに今冬の新加入、ファビアン・オレジャーナを投入。だが、アトレティコが27分にケビン・ガメイロのゴールで先制していたこともあり、後半突入後もエイバルが「ボールを持たされる」展開は不変。64分にFKのチャンスからセルジ・エンリクが放ったヘッドも、パウロ・オリベイラが作った78分のCKからの決定機も、名手オブラクによって阻まれた。

 そんななか、エイバルがアトレティコとオブラクをもっとも慌てさせ、イプルーア・スタジアムのファンを沸かせたのは85分のシーンだ。左サイドでボールを受けた乾が、縦ではなく内に切れ込み、右足から強烈なシュートを見舞ったのだ。コースをついた鋭い弾道はめいっぱい伸ばしたオブラクの腕によって阻まれたものの、並みのGKであれば決まっていたと思わせる一撃だった。

 結局、終盤の猛攻もかなわず、エイバルは0-1で敗れたが、バスクの小クラブは強豪アトレティコに対しても互角以上のプレーを披露。乾も相手チームにとって改めて危険な人物であることを印象づけた。
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