【福岡|新体制】森本貴幸ら11名を加えてリスタート!スローガンは「感動と勝ちにこだわる」

2018年01月10日 中倉一志

「J2優勝、J1昇格を狙うにふさわしい選手が揃った」と胸を張る。

上段左から森本貴幸、枝村匠馬、井原正巳監督、25 圍謙太郎、篠原弘次郎。下段左から木戸皓貴、平尾 壮、ユ・インス。写真:中倉一志

 福岡は10日、福岡市内で2018シーズン新体制発表記者会見を行なった。参加したのは川森敬史代表取締役社長、鈴木健仁チーム強化部長、井原正巳監督、そして新加入選手のうち、トゥーリオ、輪湖直樹、期限付き移籍満了で復帰した鈴木惇と田村友の4人を除く7人だ。地元報道陣と100名のファン、サポーターが見守るなか、2018年シーズンへの意気込みを話した。なお、トゥーリオは11日、輪湖は13日にチームに合流する予定だという。
 
 川森社長から発表されたスローガンは「感動と勝ちにこだわる」。人の心を揺さぶる熱いプレーで今年1年を戦いきり、得点をして勝つという意味合いが込められたものだ。また、具体的な目標として「J2優勝、J1昇格」を掲げた。昨季の主力選手の多くがチームを離れたが、その目標を達成すべく、新たに11人(期限付き移籍からの復帰含む)の選手がチームに加わった。
 
 補強の最大のポイントは、チームを離れた主力のポジションを埋められる選手を獲得し、さらなる戦力アップを図ること。過去3年間の経験を踏まえて、J1、J2での実績と経験を持つ選手を中心に補強するとともに、成長が期待できる若手選手も加えた。
 
 得点力アップが最大のテーマになるFW陣には、ブラジルのシャコペエンセからトゥーリオを加えたほか、日本代表経験があり、J1、J2の両方で実績を持つ森本貴幸を獲得。即戦力ルーキーとして期待がかかる木戸皓貴も楽しみな存在だ。
 
 三門雄大が抜けた中盤には、ボールを配れる枝村匠馬を期限付き移籍で獲得。ウォン・ドゥジェとのコンビネーションで厚みのある中盤を作ることを目指す。また、FC東京から期限付き移籍でやって来たユ・インスは、攻撃的なポジションであれば、どこでも高いレベルでプレーできる選手で、最終局面でのラストパスやセカンドストライカーとしての期待が高まる。そして大分から戻って来た鈴木も「外へ出て変われた部分もある。アビスパが勝つための働きかけができたらいい」と意欲を燃やす。
 
 亀川諒史が務めた左サイドバックに入るのは柏からの完全移籍で加わった輪湖直樹。冨安が抜けたCBには、岡山から篠原弘次郎を迎えた。最終ラインを牽引する岩下敬輔、浦和から復帰した田村友、さらには昨年に抜群の安定感を見せた堤俊輔や、リーグ終盤に復帰を果たした實藤友紀らとともに分厚い戦力が揃った。
 
 両SBの層の薄さという課題を埋めるのはG大阪からやって来た平尾荘。もともとはFWの選手だったが、G大阪でSBにコンバート。左右両方でプレーできる強みを生かして、虎視眈々とポジション奪取を狙う。GKは引き続4人体制。新たに圍謙太郎を加えて競争の中で互いのレベルアップを図る。
 
「これほど多くの主力選手がチームを離れたのは初めての経験」と、鈴木チーム強化部長はオフのチーム編成に苦心した様子を吐露したが、クラブ、井原監督らとともに補強ポイントを絞り、福岡が必要とする戦力を揃えた。この日の会見に参加した7人を背にして「J2優勝、J1昇格を狙うにふさわしい選手が揃った」と胸を張る。そして選手らもまた、アビスパ福岡の一員としてJ1昇格に向けて強い意思を示した。
 
 2018年は、5年周期でしかJ1に昇格できないという福岡の歴史を変えるための待ったなしのシーズン。そして、将来、J1で上位争いをし、さらにはアジア、世界を目指すクラブの新しい歴史の第一歩を刻むためシーズンだ。「感動と勝ちにこだわる」というスローガンのもと、福岡は新たな挑戦に挑む。
 
取材・文●中倉一志(フリーライター)

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