流経大柏の2年生CB関川郁万、痛恨の失点に悔しさ露わ「インターハイで得点されていない選手に…」

2018年01月08日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

悔しさを押し殺しながら「自分だけを考える学年じゃないので次は」。

流経大柏の最終ラインを支えた2年生CB関川。終了間際の失点で優勝を逃し涙した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[高校サッカー選手権決勝]流経大柏 0-1 前橋育英/1月8日/埼玉

 粘りに粘った流経大柏の守備が、ついにこじ開けられた。

 後半アディショナルタイム、前橋育英の飯島陸(3年)が放ったシュートを三本木達哉(3年)が身体で防ぐ。しかし、こぼれ球を拾った榎本樹(2年)の一撃がゴールへと吸い込まれた。

 それまで、幾度となく訪れたピンチを跳ね返してきた流経大柏の守備陣は、思わずうなだれた。残り時間はわずか。急いでボールをセンターサークルへセットしキックオフで再開したが、数分後に試合終了の笛が鳴り響く。

 ここまで無失点で勝ち上がってきた守備の中心を担った2年生CB関川郁万の表情には、悔しさが満ち溢れていた。

「インターハイで得点されていない選手にゴールされたのは悔しい。本来だったら自分が止めていないといけなかったと思う。榎本選手は良い選手ですけど、自分がそういう選手を抑えられなかったというのが、大きな敗因です」

 優勝した夏のインターハイでは、準決勝で前橋育英と対戦。CKから放った自らのヘッドが決勝点となり1-0でライバルを下していた。しかし選手権では、それとは逆の結果が待っていた。しかも、後半アディショナルタイムに決勝ゴールを許すショッキングな敗戦。ただ、2年生CBは「前橋育英が上手だったかなっていう印象はあります」と素直に相手の実力を認めてもいる。

「決めるべきところで決めれればというところだと思う。やっぱりそこで仕留めてくるのが王者なのかなと思います」

 そして気持ちを切り替えるように、視線を先に向けてこう言葉を紡いだ。

「俺が決めて勝つとか、俺が守るとか、自分だけを考える学年じゃないので次は。最終学年ということでチーム全体を引っ張っていかないといけない。自分勝手な部分はなくさないと」

 現実を受け止め、もうひと回りも、ふた回りも成長してまた来年この舞台に戻ってくる。そう胸に秘めて、俊英CBはスタジアムを後にした。

取材・文●橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
 
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