【選手権】インターハイ8強の京都橘はなぜ伏兵・上田西に屈したのか?

2018年01月02日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「『やり切ったな』という想いで泣いている選手は、ひとりもいませんでしたからね」(京都橘・米澤監督)

梅津(10番)を中心に攻めた京都橘だったが、上田西の粘り強い守備を攻略できず、初戦で姿を消した。写真:徳原隆元

[高校サッカー選手権・2回戦]上田西1-0京都橘/1月2日/駒沢陸上競技場

 12年度の準優勝校で昨夏のインターハイ8強の京都橘は、63分に与えたPKを決められて初戦で姿を消した。

 決してチャンスがなかったわけではない。試合序盤こそ上田西の圧力を受けたが、時間が経つにつれて中盤の梅津凌岳(3年)や篠永雄大(2年)を中心としたパスワークが機能し始めて、17分には梅津がクロスバー直撃のミドルシュートを放った。

 それでも"狙い通り"ではなかったと、指揮官は言う。

 試合後、米澤一成監督は「不完全燃焼。中途半端に終わった印象ですね」と切り出し、「サイドを使おうと意識させていたことができなかったし、ゴール前でボールを収め切れてもなかった。スキルも出し切れず、引き出しが少なかった」と肩を落とした。

 さらに、「試合後の選手たちを見ても、『やり切ったな』という想いで泣いている選手は、ひとりもいませんでしたからね」(米澤監督)と、潔く負けを認めた。

 細かなパスワークを駆使しながら、ゴールを目指すスタイルの一端は確かに見られた。しかし、指揮官の言葉を借りれば攻撃は「中途半端」なままだった。この試合で全国初勝利を挙げた伏兵・上田西に屈した理由は、まさにそこにあったのだろう。

取材・文●橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
 
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