【C大阪】4年前の悲劇は繰り返さない! 天皇杯制覇も山口蛍が見据える来季の戦い

2018年01月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

2014年はACLを戦うも、J2降格を経験。

試合終了の瞬間、山口はガッツポーズで喜びを爆発させた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[天皇杯決勝]C大阪 2-1 横浜/1月1日/埼玉
 
 勝利の瞬間は渾身のガッツポーズで喜びを爆発させた。
「なんとかギリギリ持ってくれた。決勝に間に合わせてくれたトレーナーやフィジカルコーチ、今日の勝利はそういう人たちにプレゼントしてあげたい」
 
 コンディションは万全ではなかった。11月下旬に右足ふくらはぎを負傷し、E-1選手権に臨んだ日本代表からも離脱。なんとか間に合った元日決戦も、満身創痍のなかで試合に臨んだ。
 
 ゲームは立ち上がりに先手を奪われる苦しい展開となったが、「同点に追いつける自信がみんなのなかにあったので、そんなに焦ることはなかった」と、粘り強く相手の攻勢を受け止め、冷静なゲーム運びで逆転劇を演出してみせた。
 
 チームはルヴァンカップに続くタイトル獲得で2017年シーズン二冠を果たした。山口は「天皇杯はやっぱり一発勝負で、そこに対する勝負強さ、ビハインドを撥ね返せる力はついてきたと思う」としながらも、今後の課題も見出していた。
「改めてリーグで優勝する、一年を通して安定して力を発揮するというのは本当に難しいことだと逆に感じた。それを次の目標にして、トライしていきたい」
 
 そして来季は、リーグ戦と同時に、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)というアジアの舞台でのハイレベルな戦いも待っている。2017年シーズン以上に厳しい戦いが待っているが、背番号10は同じシチュエーションで迎えた4シーズン前の苦い記憶を引き合いに出して次のように語った。
「(4年前の)あの時は(J2に)落ちたし、自分自身も途中で怪我をしてシーズンの半分を棒に振って何もできなかった。そうならないように、心身ともにケアをしながら1年間を通してしっかり戦えるようにしたい」
 
 前回ACLに挑んだ2014年シーズンは、ウルグアイ代表のディエゴ・フォルランや元ドイツ代表のカカウといった大物助っ人を擁したものの、チームはうまく機能せずACLはラウンド16で敗退。さらにJ2降格の憂き目にも遭っている。それだけに、「4年前と今とでは全然余裕が違いますし、そういう部分ではあの時と変わっていると思う」と語る山口にとっても、来季は自らの成長を示す絶好の機会。ワールドカップも控えるシーズンだけに、コンディションにはなおさら気を配ることになりそうだ。
 
 4年前の悲劇を糧に山口は、そしてC大阪は、Jとアジアの舞台で力を誇示できるだろうか。
 
取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb)

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