【C大阪】今季2冠目を獲得しても、キャプテン柿谷が浮かないのはなぜなのか

2018年01月02日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

この日の柿谷は、明らかに精彩を欠いていた。

試合後はチームメイトともに喜んだ柿谷だが……。個人的には心残りなシーズンとなってしまったようだ。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[天皇杯決勝]C大阪2(1EX0)1横浜/1月1日/埼玉スタジアム2002
 
「(2冠を獲得できて)良かったんじゃないですか。(準決勝の神戸戦と)2試合連続で、マル(丸橋祐介)とふたりで、最後ベンチで応援するとは思わなかったですけど」
 
 キャプテンとして今季2度目のタイトルを獲得した柿谷曜一朗だが、試合後の表情は浮かなかった。
 
 理由は自身のパフォーマンスにある。柿谷はこの日、2トップの一角で先発出場。しかし、前線で多彩に動くもなかなかボールを収められず、ボールを受けたとしても、味方との距離感が近く、プレースペースを失った。持ち味のアイデアは鳴りを潜めてしまったのだ。
 
 C大阪のユン・ジョンファン監督は80分に、明らかに精彩を欠いていた柿谷に交代を命じる。この采配に悔しさを募らせる。試合後、『フル出場したかった?』という質問には「選手たるものそりゃそうでしょ。まあ、すべては結果ですから。良い1年になったと思いますし、良いスタートになったんじゃないですか」と無理やりに嬉しさを口にした。
 
 思い返せば、11月4日のルヴァンカップ決勝の後も柿谷は同じように、喜びよりも先に無念を口にしていた。
 
「最後までピッチに立つべきだと思っていたので、それができなくて自分に対する不甲斐なさが残る試合でした。またこういう試合ができるようにしたい」
 
 それから約2か月後、再び決勝の舞台に立つことになった。この柿谷にとっては"リベンジ"の場で、左足甲の痛みをおしてでも出場を決めた。
 
「プレーをしているからには、怪我はなんの言い訳にもならない」とは言うものの、大舞台で本来の力を発揮できなかったのは、やはりショックだっただろう。
 
 キャプテンとしてチームの勝利を喜ぶべき一方で、自分の出来には落胆する――そんな狭間で揺れる柿谷は、悔しさを胸に新シーズンでも奮起してくれるはずだ。

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取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWeb)
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