【横浜】タイトルを掴むチームになるためには? 中澤佑二の考えは――

2018年01月01日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「何かを我慢して、犠牲にして、でもだからこそ得られることがある」

タイトルに手が届かなかったのは、「足りない部分があったから」。中澤はそれを認める一方で、今のチームはもっと成長できると期待を寄せている。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[天皇杯決勝]C大阪2(1EX0)1横浜/1月1日/埼玉スタジアム2002
 
 前半に幸先良く先制しながらも、後半と延長前半に失点を許し、痛恨の逆転負け。C大阪とのファイナルを、中澤佑二は次のように振り返る。
 
「前からアグレッシブにボールを取りに行って、前半からはある程度、優位に立とうというサッカーができていた。でも、後半の10分過ぎぐらいかな、セカンドボールを拾えなくなって、ちょっと相手のペースになり、そこで失点してしまった。2点目を取れなかったのが大きかった」
 
 勝つチャンスは十分にあったが、追加点を挙げられずにいると、相手に渡った主導権を奪い返せず、試合をひっくり返されてしまった。
 
 決勝の舞台に立つ力は、今の横浜にはある。それでも、タイトルに手が届かなかったのは、やはり攻撃面に小さくない課題を抱えているからだろう。
 
「どんな形でもいいので、2点目を取る、ゴールに向かってしっかりプレーすることは、どのチームでもやらなければいけないし、やっていることだと思う。ディフェンスとしては、それが一番怖い。F・マリノスはどうしても、サイドを崩すところにすごくエネルギーを費やして、最後の部分、ゴール前で人数が少し足りなくなってしまう」
 
 ピッチ上での改善点を示したうえで、優勝を成し遂げるために、中澤には中澤なりの考えがある。
 
「強い決意が必要で、いろんなものを我慢するというか、捨てなければいけないと思う。1年間、サッカーにしっかりエネルギーを注ぐ。何かを我慢して、犠牲にして、でもだからこそ得られることがあるし、そっちのほうが大きい。今まで以上に全力で、妥協を許さずにやっていきたい」
 
 横浜はそうした厳しさを持って戦えるチームだと、中澤は大きな期待を寄せている。
 
「今季もみんな頑張っていたし、一体感もある良いチームだった。でも優勝できなかったのは、どこかに足りない部分があったから。それをもう一度、確認して、話し合って、一致団結してやっていきたい。みんなで同じ方向を向いてね。そういうチームになれると僕は思っているので」
 
 誰よりもストイックに、サッカーと向き合ってきた男の決意表明。横浜の不動のディフェンスリーダーは来るべき新シーズンに向けて、すでに走り始めている。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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