【C大阪】受け継がれるDNA?水沼宏太が大一番に強い理由は…

2018年01月01日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「研ぎ澄まされていたのかな」

延長前半5分に値千金の決勝点。大一番で光る強靭なメンタリティーは父親譲りか? 写真:徳原隆元

[天皇杯決勝]C大阪2(1EX0)1横浜/1月1日/埼玉スタジアム2002
 
 セレッソ大阪の今季2冠目の立役者となった水沼宏太。延長前半5分に山村のクロスに、ファーサイドから飛び込み見事にヘディングシュートでネットを揺らし、値千金の決勝ゴールを決めてみせた。
 
「どういう状況か覚えていないんですけど、準決勝と一緒で(ボールが)来るかなと思って、走ったら来た、急に感覚が研ぎ澄まされたのかなと。諦めずに走り切ることを貫いた結果だし、"来そう"だという予測は、疲れているからこそ働くときもある。それが準決勝も決勝も出たのかな」
 
 多くの報道陣に囲まれ、やや照れた様子でハイライトを語る水沼は、準決勝の神戸戦でも、ピカイチの勝負強さを発揮した。試合終了間際の90分に先制点を許して、敗退濃厚だったチームを、後半アディショナルタイムの意地のゴールで振り出しに戻したのだ。(その後延長戦の末、3-1で勝利を収め決勝に進出)
 
 水沼は「研ぎ澄まされていたのかな」と振り返ったが、こうした大一番での活躍は、もしかしたら、DNAによるものかもしれない。
 
 遡ることちょうど25年、読売クラブと日産横浜マリノスによる天皇杯の決勝が国立霞が関競技場で開催された。そこで先制点を決めた選手が水沼貴史氏。宏太の実父だ。当時の華麗なボレーシュートは今も色褪せない。その後一時同点にされるも、このゴールのおかげで延長戦に進んだ日産横浜マリノスは、102分に神野卓哉のゴールで勝ち越し。見事に優勝を果たしている。
 
「当時のメダルは見たことないですね。でも初めて(父親と)同じタイトルを獲れた。全然まだまだ追いつけない部分がありますけど、ひとつ取れたのは、嬉しい」
 
 水沼にとって、父親は「目標であり、尊敬している」存在。試合前はいつも「『頑張れ』としか言ってもらえない」が、まさに父親譲りの勝負強さを発揮した息子の姿を見て、貴史氏も喜んでいるに違いない。

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取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWeb)
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