【プレミア冬の通信簿|マンC編】新時代の到来を予感させる圧巻の前半戦

2017年12月29日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ペップの志向するサッカーが板につきはじめ。

グアルディオラ監督(右)の薫陶を受けたデ・ブルイネ(左)は、選手として覚醒した感がある。 (C) Getty Images

【前半戦の主な成績】
プレミアリーグ1位|19勝1分け0敗/61得点・12失点
チャンピオンズ・リーグ|グループF首位通過/5勝0分け1敗/14得点・5失点
 
前半戦のチームパフォーマンス…100点
 
――◆―――◆――
 
 19勝1分けの無敗。3節から続く18連勝は、プレミアリーグ新記録だ。マンチェスター・ユナイテッドをはじめチェルシー、リバプール、アーセナルと、覇権を争うライバルを直接撃破しただけでなく、内容が伴う完璧に近いパフォーマンスを披露している点を含め、新時代の到来を予感させる圧巻の前半戦だった。
 
 指揮官の志向するサッカーが、チーム全体に浸透したのも大きい。最終ラインから丁寧に繋ぐポゼッションスタイルは練度が高まり、トランジションは攻守ともに迅速だ。
 
 ボールを失った後の即時奪回が基本戦術として板につき、スピード感溢れる鋭利なカウンターはショート、ロングを問わず破壊力抜群。選手個々が戦術をしっかり理解しており、チーム全体の動きにも一体感がある。
 
 攻撃を牽引するのは、インサイドハーフの2人。ケビン・デ・ブルイネがスルーパスやミドルでゴールを演出すれば、ダビド・シルバはショ ートパスと豊富な崩しのアイデアで舵を取る。
 
 この二枚看板を後方で支えるフェルナンジーニョを含めた3人が、いわばチームの心臓。ここにスピードのエッセンスを加えているのがラヒーム・スターリングとレロイ・ザネの両翼で、相手や状況によってターンオーバーし ているセルヒオ・アグエロとガブリエウ・ジェズスの両CFも好調を維持。迫力と厚みが増した攻撃は手がつけられない状態だ。
 
 守備のクオリティーも大幅にアップした。見違えたのが、ジョン・ストーンズとニコラス・オタメンディだ。
 
 とりわけ前者は軽さが消えて安定感が増し、リーダーとしての風格さえ漂わせている。"繋げるGK"として指揮官のジョゼップ・グアルディオラの高い要求に応えているエデルソンの存在も忘れるべきではない。
 
 今シーズンの前半戦のマンチェスター・Cは、攻守ともに隙がなく、欧州の頂点が十分に狙える完成度を十分に示している。
 
☆前半戦MVP☆
ケビン・デ・ブルイネ
 ゴールに直結する仕事を文字通り連発。チームに勝利を呼び込んだプレミア7節のチェルシー戦のミドルシュートは、圧巻だった。
 
文●田嶋コウスケ
 
※ワールドサッカーダイジェスト2018.01.04号より加筆・修正
 
 
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