リベリアの怪人、ジョージ・ウェアがついに大統領に! その公約や政治手腕はいかに!?

2017年12月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

決選投票を制し、晴れて正式就任!

リベリアで圧倒的な知名度を誇るウェア。母国の世界進出にも大きな影響をもたらすことが期待される。 (C) REUTERS/AFLO

 リベリアの"怪人"から"大統領"へ――。
 
 かつてイタリアやフランスで圧倒的な存在感を示し、あのバロンドールをも手にした元リベリア代表FWのジョージ・ウェアが、セカンドキャリアにおいても最高の地位と名誉を手に入れた。
 
 現地時間12月26日、南アフリカ・メディアの『EYEWITNESS NEWS』など多くのアフリカ報道機関が、リベリア大統領選を速報。ウェアがに勝利を収めたと伝えたのだ。
 
 同大統領選は、10月10日に国民投票が行なわれたが、その直後に国家選挙委員会(NEC)が「各地の投票所でスタッフの不手際のために混乱が起こった」と発表。あらためて、副大統領のジョセフ・ボアカイ氏とウェアによる決選投票が開かれ、その結果、後者の当選が確定した。
 
 いかにもアフリカらしい(?)騒動に見舞われながらも、見事大統領選に勝利したウェア。サッカー界に燦然と輝く功績を残した偉人である。
 
 1988年にモナコでヨーロッパデビューを果たしてポテンシャルを開花させると、92年にはパリ・サンジェルマンに移籍。チームをリーグ・アン制覇に導くなど瞬く間にスターダムを駆け上がった。95年にはマルコ・ファンバステンの後釜としてミランに加入。持ち前の身体能力を利したパワフルなプレーでゴールを量産し、『リベリアの怪人』と謳われた。守備の国イタリアのDFたちを震え上がらせたのだ。
 
 その95年には、アフリカ人選手として史上初となるバロンドールとFIFA年間最優秀選手賞の2冠を獲得。一気に名声を高めたウェアは、その後、チェルシー、マンチェスター・シティ、マルセイユと渡り歩き、2001-02シーズンにUAEのアル・ジャジーラに入団。翌シーズンにスパイクを脱いだ。
 
 現役引退後も精力的な活動を続けてきた。09年には母国リベリアの大統領選に初出馬。ここでは惜しくも敗れるも、14年に上院選に立候補すると、その知名度の高さが活きて見事に当選した。政治家に転身してからも、現役時代と変わらぬインテリぶりを見せた51歳のウェアは、「私の夢見るリベリアは、社会的地位や民族背景に関わらず、多くの子どもたちが成功するチャンスを与えられ、より良い生活を得られる国だ」と、国政改革を訴え、2度目の大統領選に出馬していた。
 
 アフリカ初の女性大統領だった現職のエレン・ジョセフ・サーリーフ氏に代わり、第25代大統領となるウェア。元サッカー選手が大統領に就任するのも、前人未到の偉業である。
 
 現役時代には、その紳士的な立ち居振る舞いからファンの支持も厚かったウェア。はたして大統領になっても驕り高ぶることなく、母国に栄華をもたらせるか。リベリアに誕生するウェア新政権に注目だ。
 
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