【番記者通信】ペップ1年目の締めくくりは――|バイエルン

2014年05月14日 パトリック・シュトラッサー

「勝たなければ難しい夏になる」

ペップ・グアルディオラの1年目は、宿敵ドルトムントと対戦するDFBカップ決勝の結果で決まると言っても過言ではないだろう。 (C) Getty Images

 バイエルンにとって今シーズンの公式戦56試合目は、もっとも重要な試合となる。5月17日のDFBカップ決勝は、今シーズンのフィナーレであり、クライマックスだ。
 
 舞台装置は完璧だ。対戦相手は、ドルトムント。13年と14年のマイスターと11年と12年のマイスターのぶつかり合いであり、一昨シーズンの同じくDFBカップ決勝、昨シーズンのチャンピオンス・リーグ(CL)決勝の再戦だ。2年前のDFB決勝はドルトムントが5-2で快勝、昨年のCL決勝は2-1でバイエルンが凱歌を上げた。
 
 ジョゼップ・グアルディオラが指揮したバイエルンの1年目を、人々はどのように思い出すだろう。
 
「ブンデスリーガで優勝し、CLはベスト4。良いシーズンだった」とはキャプテンのフィリップ・ラーム。「でも、土曜日にカップ戦の優勝を決めて、最高に良いシーズンにしたい」と言う。
 
 DFBカップ決勝での敗北は、グアルディオラを巡る雰囲気に破滅的な結果をもたらすだろう。
 
「勝たなければ、難しい夏になるだろう」
 グアルディオラはそう語る。
 
 そして、ラーム、バスティアン・シュバインシュタイガー、トーマス・ミュラー、トニ・クロース、マリオ・ゲッツェ、ジェローム・ボアテングのドイツ代表勢にとっても、ネガティブな影響があるだろう。苦々しい後味を口中に残したまま、肩を落としてブラジルへと向かうことになる。
 
 もっとも、チームに悲壮感はない。ジェルダン・シャキリが宣言しているように、4週間前のリーグ戦で喫した手痛い敗北の「ちょっとした復讐」をするつもりだ。
 
 ブンデスリーガ最終節のシュツットガルト戦で左膝を負傷したシュバインシュタイガーの状態が気になるところだが、出場できなくてもそれほど大きな痛手はないだろう。ペップのお気に入りで、故障から復帰したチアゴ・アルカンタラが控えている。愛弟子がグアルディオラに希望を与える。
 
【記者】
Patrick STRASSER|Abendzeitung
パトリック・シュトラッサー/アーベントツァイトゥング
1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年にアーベントツァイトゥングの記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。今年5月にはバイエルンのCBダンチの自伝を出版予定。
 
【翻訳】
円賀貴子
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