バルサ・ユニホーム事件にグレミオ会長が怒り心頭!「腹立たしく許しがたい無作法だ」

2017年12月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

ブラジルの若き至宝を巡るドタバタ劇

近未来のセレソンを背負って立つ逸材と期待されるボランチ、アルトゥール。今回のトラブルが移籍交渉にどんな影響を与えるのか。(C)REUTERS/AFLO

 日本時間の土曜深夜、レアル・マドリーとFIFAクラブワールドカップを戦う南米王者グレミオ。勝てば34年ぶりのクラブ世界一が決まるだけに、地元ポルトアレグレの熱狂的なサポーターのみならず、ブラジル国民も大きな期待を寄せている。
 
 そんな最中、グレミオのロミルド・ボルザン会長の頭を悩ませているのが、本来のレギュラーMFであるアルトゥールを巡る問題だ。スペイン全国紙『MARCA』がその怒りのコメントを伝えている。
 
 兼ねてから21歳ボランチへの強い関心を抱くバルセロナ。アルトゥールは現在、11月下旬のコパ・リベルタドーレス決勝で左足を傷めて全治1か月半と診断されたため、クラブワールドカップを戦うチームには帯同していない。グレミオのクラブ関係者や要人が留守の間に、バルセロナの幹部が非公式とはいえアルトゥールに接触し、ポルトアレグレで会食。なんと選手本人にバルサのユニホームを着せて記念撮影に至り、その画像がネット上に流出する事態が起きてしまったのだ。
【PHOTO】バルサのユニホームを着て記念撮影に応じる注目銘柄アルトゥール
 
 あたかも交渉が成立し、入団が決まったかのような雰囲気で……。この一報をUAEで聞き、怒り心頭なのがボルザン会長だ。
 
「まったく腹立たしく許しがたい無作法だ。バルサからはなんら正式なオファーは届いていないし、このような会合が持たれたこと自体、初めて知った。彼らはこの冬の獲得を目ざしているようだが、以前からアルトゥールに関しては繰り返し言っているように、5000万ユーロ(約65億円)の違約金を支払えるかどうかが大前提だ。それにしても今回の一件は、きわめて不愉快。告訴することも検討している」
 
 ブラジル国内で将来を嘱望されている注目株は、9月のワールドカップ予選でブラジル代表に初招集された。スケールの大きなボックス・トゥ・ボックス型のMFで、同胞のパウリーニョを彷彿させるタイプだ。ワールドカップ本大会で23人枠入りするのではないかと目されており、チェルシーやR・マドリーも獲得に乗り出している。
 
 アルトゥール本人はSNS上で「まったくのプライベートな会で、まさかこんな大事になるなんて思いもしなかった。バルサのユニホームを渡されて喜ばない選手がいるかい? いずれにせよ、なにも決まってはいないよ」と弁明したが、軽率にすぎる行為と言わざるを得ない。
 
 スペインの各メディアが報じるところでは、来週頭にもバルサの幹部があらためてブラジルを訪れ、正式オファーとともに状況の説明を行なうという。しかしながら、ボルザン会長の心証を悪くしたのは疑いようがなく、宿敵R・マドリーのほうに交渉のプライオリティーを置くのではないかと言われている。
 
 いずれにせよ、おふざけで撮った一枚の写真が大きな波紋を呼んでいる。ちなみにバルサはこの冬の移籍市場で、アルトゥールとともにパルメイラスのコロンビア代表CB、ジェリー・メナの獲得も狙っている。
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