韓国ナンバー1記者が日本代表を分析「日本の選手とハリルの戦術は相性が良くない」「井手口は警戒すべき選手」

2017年12月13日 慎武宏

「ハリルホジッチ監督が思い描く理想と日本選手のプレーにギャップが生じている」

縦に早いサッカーを目指すハリルホジッチ監督のスタイルは、日本に合っていないという。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 12月12日に味の素スタジアムで行なわれたE-1選手権の第2戦で、中国に2-1で勝利した日本。その試合結果は、韓国でも報じられている。
 
「日本、中国を破りE-1選手権2連勝…韓日戦が"決勝戦"」(『聯合ニュース』)
「"劇的ゴール専門"の侍サッカー、事実上の決勝戦となった韓日戦」(『SPORTSQ』)
「"昌子の幻想ゴール"日本、中国に2-1勝利…大会2連勝」(『sportalkorea』)
 
 その多くは試合経過を振り返るものだったが、この日中戦は、現地で取材した韓国人記者の目にはどう映ったのか。韓国でもっとも有名なフリーのサッカージャーナリストとして知られるソ・ホジョン記者に話を聞くと、開口一番にこう切り出された。
 
「北朝鮮戦からスタメンを7人代え、代表経験の浅い選手が多数出場していましたが、それでも日本は、韓国が引き分けた中国に勝利した。今日の試合を見る限り、16日の韓日戦では韓国も苦戦を強いられるでしょう」
 
 日本の実力を認めているわけだが、その一方でハリルジャパンの課題も見えたという。
 
「ハリルホジッチ監督がやろうとしているサッカーを、まだ選手たちが完璧に実践できていないように見えました。ハリルホジッチ監督は"縦に速いサッカー"を目指していると聞きましたが、日本の選手たちは"横に繋ぐサッカー"に慣れてしまっている。

 細かいパス回しでスペースを生み出すのは日本の長所だと思いますが、現指揮官のサッカーとは相性が良くないのでは。中国戦で先発メンバーを入れ替えたのは、中2日で選手を休ませたかっただけではなく、ハリルホジッチ監督のサッカーにフィットする選手を探す"テスト"の意味もあったのではないでしょうか」
 
 ちなみに2014年のブラジルW杯では、当時ハリルホジッチ監督が指揮していたアルジェリアが韓国を4-2で破っているが、その試合も現地で取材していたソ・ホジョン記者は、「韓国にとってはトラウマになっている試合です」と前置きしながら、こう話す。
 
「その頃からハリルホジッチ監督のサッカースタイルは変わっていません。アルジェリアをW杯ベスト16に導いたように、その戦術が世界に通用するというのは間違いない。それだけに、ハリルホジッチ監督が思い描く理想と日本選手のプレーにギャップが生じているのは残念にも思います」

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