大迫不在のケルン、前半の3得点で初勝利目前も、終了間際の2PKで悪夢の逆転負け…

2017年12月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

前半は守備の弱点がカバーされたが…

すでに同点とされた時点で相当なショックを受けたはずだが、追い打ちをかけるようにPKで4点目を奪われ(写真)、新体制ケルンのリーグ初戦は悪夢の逆転負けに終わった。 (C) Getty Images

 12月10日(現地時間)、ブンデスリーガ第15節が行なわれ、ケルンは3-4でフライブルクに敗れた。

 除雪作業のため30分遅れでキックオフされた一戦。それでも白く染まったピッチ上で最初にゴールネットを揺らしたのは、ここまでリーガ14試合未勝利で、解任されたペーター・シュテーガー監督の後を受けたシュテファン・ルーテンベック暫定監督の下、リーグ初戦(公式戦2試合目)を迎えたケルンだった。
 
 8分、ヨイッチのスルーパスで中央を抜け出したクリュンターが、飛び出したGKシュボロウの動きを冷静に見極めてシュート。ボールは右ポストに当たりながらゴールラインを越えていった。
 
 その6分後、ワントップのギラシーが左サイドのゴールライン際からペナルティーエリアに侵入すると、シュスターに倒されてPKを獲得。これを自ら蹴り、シュボロウの逆を衝いて追加点を奪う。
 
 さらに29分、ラウシュが左サイドを抜け出し、グラウンダーのクロスを入れると、これをカットしようとスライディングしたスタンコがボールの軌道を変え、自陣ゴールに流し込んでしまった。
 
 ケルンが前半で3点のリード。前節のシャルケ戦で大迫勇也が退場処分となり、攻撃の中心選手が出場停止となったことで、苦しい戦いが予想されたものの、新生チームはピッチコンディションなどを味方にし、チャンスを活かしてゴールを積み重ねていった。
 
 一方、フライブルクは不運もあってリードを広げられ、さらに選手の怪我などにより18分で2人が交代というアクシデントにも見舞われたが、27分にペーターゼンのクロスを中央でテラッツィーノがワントラップして決定的なシュートを放つなど、チャンスも作る。
 
 そして39分、右サイドのFKから、逆サイドに抜け出たペーターゼンが角度のない位置からフリーでダイレクトボレーを放つ。強烈なシュートはゴールの天井に突き刺さり、フライブルクは1点を返した。
 
 さらにアディショナルタイムには、クラインディーンストの左からのクロスをペーターゼンがダイレクトで合わせて惜しいシュートを放ち、直後のCKではレーマンが至近距離で合わせたものの、ボールはクロスバーを越え、決定機を活かせなかった。
 
 雪の影響でケルンの守備面の弱点が出にくい状況にはなっていたものの、それでも時間とともにフライブルクはゴールに迫っていった。
 
 対してケルンは、小細工なしにボールを前に出し、ギラシーがDFラインの裏に抜けるという動きが相手にとって脅威であり、また守備では、組織的には不完全ながらも、個々が気迫溢れるプレーでボールを奪いに行くプレーが効果的だった。
 
 後半も、54分にギラシーが右からの浮き球のクロスを確実にトラップし、切り返しから惜しいシュートを放つなど、ホームチームはチャンスを作ったものの、ピッチコンディションが回復するにつれ、フライブルクに主導権を握られ、たびたびピンチを迎えるようになる。
 
 守勢のなかで迎えた65分のCK、ゴールからやや離れた位置でハベラーが頭で合わせると、ボールはゴール右隅でゴールラインを越え、アウェーチームが点差を1に縮めた。
 
 疲労で全体的に動きの鈍くなったケルンが空けた自陣でのスペースを利用し、フライブルクはボールを繋ぎながら、サイドから再三チャンスを作り出す。ケルンはDFが凡ミスで危険な位置でボールを失うなど、自らピンチを招いたりもした。
 
 それでも何とか守勢を耐え抜き、いよいよ15戦目でのケルン待望のリーグ初勝利かと思われた88分、ヘフラーがエリア内でこぼれ球を拾ったところをエズジャンが倒してしまい、PKを献上してしまう。これをペーターゼンに確実に決められ、勝利は一気に遠のいていった。
 
 それどころかアディショナルタイム、再三のピンチの後、自陣ゴール前での競り合いでギラシーが痛恨のハンド。主審はPKの判定を下し、ペーターゼンのハットトリックによってフライブルクの勝ち越しを許し、ケルンは勝点すら奪えずに終わった。
 
 前半はこれまでと違う姿を見せたが、後半の戦い方、そして結末はこれまでと変わらず。新体制でのリーグ初戦は、心身に相当なダメージが残るであろう悪夢の敗北に終わった。12敗目を喫したケルンには次節(13日)、首位バイエルンとのアウェーマッチが待っている……。
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