柴崎が約3か月ぶりに実戦復帰も、リーガ史上初の日本人対決は実現せず

2017年12月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

両者のマッチアップは来年4月までおあずけに。

約3か月ぶりに実戦復帰を果たした柴崎。乾との競演は叶わなかったが、コンディションの良さをうかがわせた。(C)Getty Images

 日本時間12月9日21時に(現地時間13時)キックオフとなったリーガ・エスパニョーラ15節、ヘタフェ対エイバルの一戦は、リーガ史上初の「日本人対決」が実現するかもしれないということで、日本だけでなく現地スペインでも大いに注目された。

 選手入場の際にはエスコートキッズが日の丸を持ち、始球式にはヘタフェの柴崎岳とエイバルの乾貴士が揃って参加。スタジアムには水上正史・駐スペイン特命全権大使やマドリード日本人学校の生徒たちが招待され、ピッチを囲む広告用の電光掲示板には、ときおり「LaLiga♥日本」、「こんにちは日本!」の文字が流れた。

 ただし、始球式を終えてそのままピッチに残ったのは後者だけ。故障明けで4節以来の招集メンバー入りを果たした柴崎はベンチスタートとなった。

 試合は上り調子の両チームらしく、中盤で激しい主導権争いが展開された。定位置の左MFで起用された乾は前半、持ち前のテクニックを随所で披露。機を見てゴール前まで入り込むなど積極的なプレーを見せた。

 一方のヘタフェは、力強さこそ感じられるものの、やや直線的で硬質な攻撃が目に付く。日本人的な視点かもしれないが、効果的なパスをさばける柴崎をトップ下で起用できれば――。思わずそう考えてしまうような展開だった。

 そんななか、先制のチャンスが先に訪れたのはアウェーのエイバルだった。54分にセルジ・エンリクが倒され、PKをゲットしたのだ。キッカーはジョアン・ジョルダン。しかし、このセントラルMFのキックは大きくクロスバーを超えていった。

 そして63分、多くの日本人が溜息をついたであろうシーンが訪れる。ヘタフェの畳みかけるような攻撃がひと段落ついたところで、エイバルのベンチが動く。ベベ投入でベンチに引き下がったのは乾だった。乾にとっては、48分にイエローカードを受けていたことがネックになった。

 日本人対決は、またしても実現しなかったが、溜息が大歓声に変わったのは73分だった。

 柴崎がフランシスコ・ポルティージョに代わって、約3か月ぶりにピッチに投入されたのだ。左サイドに入った柴崎は、投入直後からブランクを感じさせないプレーで中盤をコントロール。コンディションの良さを感じさせた。

 試合は柴崎を加えたヘタフェが押し気味に進めるものの決定力を欠き、スコアレスドローのままタイムアップの笛を聞く。そして、またしてもおあずけとなったリーガにおける「日本人対決」。次のチャンスは来年4月に実施予定の34節、エイバル対ヘタフェとなるが、今度こそ日本代表選手同士のマッチアップの実現を期待したいものだ。
 
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