【リーガ|注目の次世代スター】バレンシアの若き点取り屋は「強気」と「ゴールへの執着」が魅力

2017年12月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

PKキッカーの座をキャプテンから奪う場面も。

いまやバレンシアに不可欠な存在となりつつあるサンティ・ミナ。実にストライカーらしいストライカーだ。(C)Getty Images

 いまやバレンシアを代表するFWのひとりとして、欧州でも広く認知されつつあるサンティ・ミナ。この若きアタッカーがリーガ・エスパニョーラの舞台に初めて立ったのは、まだセルタに在籍していた2013年2月16日のヘタフェ戦。当時はまだ17歳だった。

 デビューから7か月後に、セルタ史上最年少となる17歳9か月と10日で初ゴールを記録し、3年目の14‐15シーズンには20試合に出場して7ゴールをマーク。その活躍が認められ、15年の夏に移籍金1000万ユーロ(約13億円)の6年契約でバレンシアに引き抜かれた。

 若手とは思えない強気なプレーが印象的で、その図太さが「FWらしいFW」と言われる所以でもある。裏に抜け出すスピードとタイミング、点で合わせる技術はとくに秀逸で、泥臭く1点を奪ってみせる。ボールテクニックについてはまだたっぷりと伸びしろを残すが、ゴールへの執着心は、もはや一流選手のそれと言っていい。

 そのことを証明するのが今シーズンの11節、レガネス戦での出来事だ。S・ミナはこの試合、72分に7試合連続ゴールのクラブ記録がかかっていたバレンシアのエース、シモーネ・ザザとの交代でピッチに立った。

 大記録達成のチャンスを奪われ、ザザは苛立ちを露にしたものの、S・ミナはそんなことをまったく気にする素振りも見せず、投入された直後から相手ゴール前で躍動。そして82分には、みずから倒されて得たPKのキッカーを務める。本来のキッカーであるキャプテンのダニエル・パレホに粘り強く頼み込み、譲ってもらったのだ。

 失敗したらどんなに批判されたかわからないこのPKを、S・ミナは力強く、ネットを突き破らんばかりの勢いで、ゴールのど真ん中に叩き込んでみせた。
 

 どこまでも強気で、フィニッシャーとしてはかなりの高性能を誇るS・ミナ。NBAのスーパースター、レブロン・ジェームズのパフォーマンスを真似たゴール後の独特のダンスを、今シーズンはまだまだ見られそうだ。
 
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