ドルトムント、マドリーに敗北もEL出場権確保! 香川は見事なアシストの一方で逸機も…

2017年12月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

一瞬の閃きでオーバメヤンにラストパス!

オーバメヤンの2ゴールで一旦は追い付いたドルトムント。香川は攻撃のスイッチを入れ、チャンスを作り、ゴールも演出したが、自身の得点機は活かせなかった。 (C) REUTERS/AFLO

 12月6日(現地時間)、チャンピオンズ・リーグ(CL)グループステージ最終節が行なわれ、ドルトムントは2-3でレアル・マドリーに敗れた。
 
 前節で突破を決めたマドリーの本拠地、サンチャゴ・ベルナベウに乗り込んだドルトムント。こちらは決勝トーナメントへの道は閉ざされたものの、ヨーロッパリーグ(EL)行きを懸けて3位の座を死守すべく、最後の戦いに臨んだ。
 
 試合はマドリーが立ち上がりから攻勢に立ち、3分で早くもエースのC・ロナウドが左サイドからのカットインで強烈なシュート。これはGKビュルキの正面に飛んだが、以降、彼がボールを持つと、ドルトムントは複数の選手が引きつけられることとなる。
 
 9分、C・ロナウドが左から持ち込みゴール前にパスを入れると、走り込んだイスコはコントロールし切れずに右にボールをこぼすも、逆サイドで余っていたマジョラルがフリーで詰め、マドリーは先制ゴールを奪った。
 
 完全に試合を支配したホームチームは、さらに12分、右からのクロスを逆サイドで受けたコバチッチがマイナスに折り返すと、そこにはフリーのC・ロナウド。エースの狙いすましたシュートはゴール右隅に突き刺さり、彼は6試合連続得点というCL新記録を樹立した。
 
 対して、あっさりと2点のリードを奪われたドルトムント。ここまで一度も攻撃を仕掛けることができず、人数をかけて守っても、プレッシングが機能せず、細かいパスワークで簡単に突破されて再三危険な場面を迎えることとなった。
 
 3トップの左で先発出場を果たした香川真司が、まともにボールに触れたのは18分になってから。それも、自陣ペナルティーエリアで辛うじてボールをカットするという守備でのプレーだった。その後、攻撃を組み立てようとするも、反応の速いマドリーにパスをカットされることが続いた。
 
 しかし、20分あたりからようやく、アウェーチームもボールを保持できるようになり、22分に香川が中盤で鋭いターンから前を向いてオーバメヤンにスルーパス。これはヴァランヌに防がれるも、このプレーを皮切りに反撃に打って出た。
 
 25分には、香川のスルーパスを受けた左サイドのゲレイロが惜しいクロスを入れて(中央のオーバメヤンにはわずかに合わず)最初のチャンスを作り、その2分後には右から切れ込んだプリシッチのお膳立てから、抜け出した香川が最初の決定機を迎える。
 
 ここでは寄せてきたヴァランヌにシュートをブロックされた香川だが、その後もバイタルエリアでボールを引き出してマドリーDF陣を慌てさせる。チームとしても敵陣でのプレッシャーが強まり、ドルトムントは流れを徐々に変えていった。
 
 マドリーは2点を奪った後から明らかギアを落としており、さらに38分には良い守備を見せていたヴァランヌが突然ピッチに座り込んだ後、アセンシオとの交代でピッチを去るというアクシデントにも見舞われる。
 
 それでもカウンターで幾度かチャンスを作ったホームチームに対し、ドルトムントは43分、シュメルツァーが左サイドでボールを奪って素早くクロス。これをオーバメヤンがダイビングヘッドでゴール右隅に流し込み、ついに1点を返した。
 
 アディショナルタイムにも、うまいボール奪取からカウンターを仕掛け、オーバメヤンとプリシッチの2人でエリアまで持ち込んだドルトムント。後半は立ち上がりから互角の展開を見せ、すぐにサンチャゴ・ベルナベウに静寂をもたらす。
 
 48分、バルトラの入れた縦パスを香川がフリック。これを受けて抜け出したオーバメヤンがDFをかわしてシュートを放つ。一度はGKナバスにはね返されるも、こぼれ球を冷静に浮かし、今度こそゴールネットを揺らした。
 
 香川お得意の一瞬の閃きでエースが2点目。前半とは対照的に、今度はアウェーチームが序盤でゴールを奪ってみせたが、ここからドルトムントが勢い付いて、というわけにはいかず、勝ち越しを狙うマドリーが再びギアをアップする。
 
 51分にダフードからボールをカットしたイスコのラストパスを受けたC・ロナウドがフリーでシュート(わずかに枠外)を放ってからは、マドリーは立て続けに敵陣に攻め入り、縦横で揺さぶりをかけながら、C・ロナウド、L・バスケス、アセンシオ、M・ジョレンテらがシュートを放っていく。
 
 79分、CKからカゼミーロが頭で落としたボールをC・ロナウドが詰めたものの、これはオフサイド判定。しかしその2分後、分厚い攻撃からテオが頭で浮かせたボールをL・バスケスがダイレクトボレーで叩き、ゴール右隅に決めて勝ち越しに成功した。
 
 それまでDF陣が粘り強く守り、オーバメヤン、プリシッチのスピードを活かしたカウンターで反撃を狙っていたドルトムントだが、我慢し切れず……。その後もマドリーの攻撃を受けながらも再度の同点を狙い、88分には香川が見事なドリブルで決定機を自ら作るも、肝心のシュートはクロスバーを越えていった。
 
 結局、ドルトムントはこのグループステージで勝点2しか得られなかったが、3位の座を争うAPOELがトッテナムに0-3で敗れたことで、得失点差で上回り、何とかEL出場権を確保した。
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