高校で頂点を極めガンバへ――高宇洋と高江麗央、ふたりのルーキーに訊いた試行錯誤の日々

2017年12月05日 竹島麻里子

「ガンバは攻撃の質が高い」「全然トップチームに絡めなかった」

今季高卒ルーキーとしてG大阪に加入した高(左)と高江。チームの層の厚さを感じた1年目だった。

 高校サッカーで活躍したふたりの若武者が今季ガンバ大阪に加入し、はや1年が経とうとしている。昨夏のインターハイで10番を背負って市立船橋高を優勝に導いた高宇洋と、一昨年の全国高校選手権で2年生ながら東福岡の優勝に貢献し、万能型MFとして主軸を担った高江麗央だ。
 
 多くのサポーターに期待され、大きな自信と希望を抱いてG大阪に加入したふたりだったが、ともに今シーズンのトップ出場を果たすことはできなかった。高はルヴァンカップでトップチームの初ベンチ入りを果たすも、高江にいたっては、トップから声がかかることはついになかった。高校サッカーからプロの世界に飛び込んだふたりに、選手権からちょうど一年が経つ今、自分たちの現在地をどう捉えているのか、その想いを訊いた。
 
――◆――◆――
 
――おふたりはプロのハードルの高さを感じましたか?
 
高「遠慮せず、上にぐいぐい食い込もうと思って日々努力してきました。徐々に成長していると思いますが、ガンバは攻撃の質が高い。中盤はヤットさん(遠藤保仁)、今さん(今野泰幸)、陽介くん(井手口陽介)と、技術の高い選手が揃っている。自信を持っていた攻撃面でも、トップチームでやるとまだまだ足りないなと自信をなくしたところもありました」
 
高江「自分はまだまだ未熟。今はチャレンジャー、そう思って日々取り組んでいます。全然トップチームに絡めませんでした。自分が上に行くためには何が必要か、それだけを常に考えています」
 
 ふたりを加入時から見守り、時にマンツーマンで指導してきたG大阪U-23の宮本恒靖監督は、「あいつらは高体連で勝ち残り、生き抜いてきたタフさがある。競争に勝ち、トップに割って入るために、自分がどこで生きていくのかを考えられる選手だ」と、その将来性に期待するとともに、攻撃面に特徴のあったふたりに、プロとして生き残るための新たな武器を植え付けようとしている。

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