イングランドは主将を固定せずW杯に!? 指揮官が「ルーニーへの負担は過剰だった」と言及

2017年12月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

伝統を打ち破る指揮官のアイデアは奏功するのか?

ケイン(左)やダイアーといった若手をキャプテンとしてプレーさせてきたサウスゲイト(右)だが、本大会では主将を決めないことを示唆している。 (C) Getty Images

 現地時間12月1日にモスクワで行なわれた組み合わせ抽選の結果、イングランド代表は来夏のロシア・ワールドカップで、ベルギー、パナマ、チュニジアと同じグループGに入ることとなった。
 
 プレミアリーグが「世界最高峰」と称される一方で、"スリーライオンズ(イングランド代表の愛称)"は、母国開催の1966年大会以来、タイトルから遠ざかっている。50年以上も世界王者の称号を手にしていない彼らにとって、世界制覇はまさに悲願だ。
 
 それだけにガレス・サウスゲイト監督は、新たな試みを取り入れ、悪しき伝統を打ち破り、長年続いた不遇の日々に終止符を打とうとしている。
 
 英紙『Telegraph』によると、サウスゲイト監督は、現状のままキャプテンを固定せずに本大会に臨む可能性を示唆しているようだ。実際にそうなれば、イングランドにとって初の出来事となる。
 
 今年8月にウェイン・ルーニーが代表引退を表明してから、サウスゲイト監督は6人の選手に入れ替わりでキャプテンマークを託してきた。そうしたなかで、本大会ともなれば、「正式な新主将が決まる」との見方もあった。直近の4試合で腕章を巻いたハリー・ケインやエリック・ダイアーがその候補に挙げられていた。
 
 だがサウスゲイト監督は、「最もキャップ数が多い選手が試合のたびに主将を務めるスペインのやり方に反対なわけじゃない。ブラジルも似たようなことをしていると思う」と、試合ごとにチーム最多のキャップ数を持つ選手を主将にする可能性を示唆した。
 
 サウスゲイト監督は、「ひとりのリーダーが重要という時代もあった。だが私は、昨今は少し違うと感じている。責任を分かち合うことが、より重要になっていると思うんだ」と、全選手が"主将"の責任を感じることが重要だと主張している。
 
「近年で言えば、ルーニーへの責任や負担が過剰だった。今はミーティングや練習場でほかの選手たちが進み出て、貢献し、意見する。それは本当に重要なことだと思う。彼らは、全員がピッチの上で決断を下さなければいけないんだ」
 
 指揮官の言葉を受けて『Telegraph』紙は、現チームで最多キャップ数を持つのがジョー・ハート(75)と紹介。そのうえでガリー・ケイヒル(58)、ジョーダン・ヘンダーソン(36)、ラヒーム・スターリング(35)、アダム・ララーナ(33)らにも可能性があるとした。ちなみに前述のケインとダイアーはそれぞれ23キャップだ。
 
 はたして、イングランドは本当に主将を固定せずに、キャップ数に応じてキャプテンを決めるのか。伝統を捨てるこのやり方は奏功するのか。すべての答は、ロシアにある。
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