東京五輪代表でも3バックを採用か!? 森保監督が示唆したチームビジョン

2017年11月30日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「選手が力を発揮できるように柔軟に考えながら戦いたい」

広島時代に3度のJ1制覇を経験した森保監督。その時と同じように、基本的には3バックを主戦システムとして考えているようだ。 (C)SOCCER DIGEST

 11月30日、森保一監督の初陣となる『M-150 CUP』(@タイ/ブリーラム)に向けたU-20日本代表(3年後の東京五輪代表を目指すチーム)23名が発表された。


「皆さんもご存じのとおり、U-20ワールドカップに出場した選手は含まれておりません」

 指揮官の言葉通り、今大会のメンバーには今夏にオランダリーグへ移籍した堂安律(フローニンヘン)やJ1で出場機会を掴んでいる中山雄太(柏)、初瀬亮(G大阪)、またトップ昇格が決まった久保建英(FC東京U-18)といった主要メンバーが不在となった。

「私自身、この年代の選手をより広く、ラージグループとして捉えながら、最終的にコアなグループを作りたい」

 所属クラブの意向で招集できない事情もあるのだろうが、固定観念にとらわれず、幅広い可能性を自らの目で確かめたいという意図もうかがえる。

 J1、J2クラブに所属する選手たちを軸に構成されたメンバーのなかには、三笘薫(筑波大)、オビ・パウエル・オビンナ(流経大)、旗手怜央(順天堂大)、上田綺世(法政大)、小松蓮(産能大)の大学生5名も選出。

 現場視察した情報と育成年代に携わる指導者たちの声を加味したうえで「十分に代表として戦える実力を持っている選手」との判断からメンバーに選んだと明かした。

 フィールドプレーヤーの内訳は、DF5人、MF12人、FW3人(下記、メンバー表参照)。システムは広島時代に採用した3バック(3-4-2-1)をイメージしているようで、実際、記者から「3バックのような人選にも見えるが?」と問われると、こう返答している。

「基本的に3バックをやる経験が多かったので、それを考えています。ただし、実際にやれるかどうかはピッチ上で判断する。それから4-2-3-1なのか、4-1-4-1なのかいろんな形があると思いますけど、なによりも選手が力を発揮できるように柔軟に考えながら戦いたい」

 森保監督は、慣れ親しんだ3バックを主戦システムと考えつつも、同時に選手の個性を生かす術も模索している。メンバー構成は今後の活動のなかで入れ替わるにせよ、チームの船出となる今大会で戦術的な方向性は示されそうだ。

取材・文●橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)

【U-20代表メンバー】
●GK
オビ・パウエル・オビンナ(流経大)
大迫敬介(広島ユース)
谷 晃生(G大阪ユース)

●DF
庄司朋乃也(金沢)
岡野 洵(千葉)
大南拓磨(磐田)
立田悠悟(清水)
麻田将吾(京都)

●MF
浦田 樹(北九州)
岩田智輝(大分)
長沼洋一(山形)
平戸太貴(町田)
神谷優太(湘南)
三笘 薫(筑波大)
井上潮音(東京V)
宮崎幾笑(金沢)
松本泰志(広島)
菅 大輝(札幌)
針谷岳晃(磐田)
渡辺皓太(東京V)

●FW
旗手怜央(順天堂大)
上田綺世(法政大)
小松 蓮(産能大)
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