D・アウベスがイタリア・サッカーに警鐘「カルチョのレベルは下がった」「いまこそ変化を!」

2017年11月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

どのチームもナポリを模範にすべきだ。

イタリア選手協会が選ぶ2017年のベスト11に選ばれたD・アウベス(左)。ボヌッチ(中央)やブッフォンらチームメイトとの再会を楽しんだ。(C)Getty Images

 ブラジル代表のダニエウ・アウベスが現地時間11月27日、イタリアの選手協会主催の年間ベストイレブンに選出された。授賞式に出席したD・アウベスは、イタリア・メディアを通じてカルチョの国に警鐘を鳴らしている。

 バルセロナの黄金期を支えたD・アウベスは、16年の夏に移籍したイタリア王者でも国内2冠とチャンピオンズ・リーグ(CL)の決勝進出に貢献した。

 イタリア『Sky Sports』によると、現地時間11月27日の授賞式に出席したD・アウベスは、「ユーベ時代のチームメイトと再会できて嬉しい」と、イタリア時代を振り返った。

「僕らは一緒に素晴らしいことを成し遂げた。ユーベには愛情を持って仕事に時間を費やしている真のプロ戦士がたくさんいる。みんなのことを、僕は忘れないよ」

 ではなぜ、彼はわずか1年でセリエAに別れを告げたのか。

 D・アウベスは「バルサを出てユーベに移籍したのは、改善とレベルアップが必要だということを、イタリアのみんなに知ってもらうためだった」と明かし、さらにこう続けた。

「だけど、僕の考えは理解してもらえなかった。本当はもっと長く続けたかったけど、それは自分にとって簡単じゃないってことに気づいたんだ。正直、幸せではなかった。だから続けないことに決めたんだ」

 ユーベを去ったD・アウベスは、同胞のネイマールが加わったパリ・サンジェルマンに移籍した。チームはリーグ・アンで首位に立ち、CLでも圧倒的な強さを見せている。D・アウベスも幸せを取り戻したことだろう。

「たしかに幸せだよ。でもそれは、勝っているからじゃない」。そう語るD・アウベスは、イタリア・サッカーが変わることを望んでいる。「いまは自分が戦術に縛られず、自由にプレーを楽しめる。だから幸せなんだ。ユーベとイタリア・サッカーは、変わる必要があるということをわかってほしい。世界のサッカーは変わったのだから」

「イタリア・サッカーの問題は、ひとりの監督や選手ではなくもっと全般的なもの。カルチョのレベルは下がった。みんなナポリを模範にすべきだよ。彼らはあの美しいプレーで"カルチョ"という言葉を守っている。それこそイタリア・サッカー界が必要とすることだ。少し立ち止まり、リスタートしなければいけない」

 長年に渡って世界のトップクラスで活躍してきたD・アウベスの、セリエAを経験したうえでの提言。ワールドカップの切符を逃したイタリア・サッカー界は、どのように受け止めたのだろうか。
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