【番記者通信】NO ダメージ、NO タイトル|R・マドリー

2014年05月09日 パブロ・ポロ

試合前日に身体の異常を訴えていたロナウド。

バジャドリー戦で負傷退場を強いられたロナウド。チャンピオンズ・リーグ決勝は万全の状態で出場できるだろうか。 (C) Getty Images

 レアル・マドリーのリーガは終った。彼らはデシマ(※10の序数。ここでは10度目のチャンピオンズ・リーグ優勝を意味する)へ向かって突き進むが、リーガは自らの手で放り捨ててしまったのだ。バレンシアとのドローで警告ランプが灯ると、残留を争うバジャドリーにまで引き分けたのは致命的だった。
 
 クラブ内では、バイエルン戦の0-4の勝利が、選手たちのメンタルにネガティブな状態をもたらしたのではないかとさえ言われている。つまり、チャンピオンズ・リーグ(CL)で決勝進出を決めたことによる、気の緩みだ。しかし、フロレンティーノ・ペレス会長を含む多くの幹部は、リスボンでの決勝では最強のマドリーが見られると考えている。ミュンヘンの地で見せた、あのマドリーの姿だ。
 
 今シーズンのマドリーは浮き沈みが激しすぎた。選手の疲労や負傷、そして気の緩みによってパフォーマンスには波があり、要所で勝点を取りこぼした。カルロ・アンチェロッティ監督は、こうした結果を引き起こした原因を、シーズン後に分析しなければならない。修正点を探し出すのは、3冠を語るよりも重要なことなのだ。
 
 とりわけ、主力選手の負傷はスタッフの頭を悩ます問題だ。バジャドリー戦では、クリスチアーノ・ロナウドは9分でピッチを後にした。その試合前日の練習場で、ロナウドは痛みを感じる部分を指で示し、指揮官に訴えている。アンチェロッティは「ロナウドは疲れている」と語っただけだったが、今思い返せば休ませるべきだったのかもしれない。
 
 しかしクラブのドクターはホッとしていることだろう。もはやマドリーがリーガで優勝する可能性は小さい。ロナウドも、ドクターの言うことを聞き、リスボンでの決勝まで休むかもしれない。それはロナウドのためであり、チームのためでもあるのだ。
 
【記者】
Pablo POLO|MARCA
パブロ・ポロ/マルカ
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。
 
【翻訳】
豊福晋
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