バルザーリ、イタリアの復権には長期の再建計画が必要。「EURO2020の優勝など考えられない」

2017年11月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

ドイツやベルギーが良い模範に。

スウェーデン戦後に代表引退を表明したバルザーリは、アッズーリ再建に十分な時間をかけるべきだと主張する。(C)Getty Images

 2006年のドイツ・ワールドカップで優勝したイタリアはその11年後、60年ぶりのワールドカップ予選敗退という屈辱にまみれた。天国と地獄をそれぞれ味わった男は、復権のためには長期的な計画が必要だと訴えている。

 2006年の優勝メンバーのひとり、アンドレア・バルザーリは、スウェーデンとの予選プレーオフに敗れた試合後、代表引退の意向を明らかにした。25歳のときに世界王者となった彼は、本大会に出られずに幕を閉じるという、まったく予想だにしていなかった代表キャリアの終わり方を迎えたのだ。

 イタリア『Sky Sports』でバルザーリは、今後のイタリア・サッカー界について、「僕の考えはシンプル。最善の決定を下すための冷静さと忍耐力が必要だ」と、地に足をつけて見つめ直していくべきだと呼びかけた。

「これはリスタートするためのチャンス。下部組織を筆頭に、今後どうしていくべきかの綿密なプランを組むべきだ。イタリアが次の(2020年の)ユーロで優勝するなんて考えられない。焦らずに、10年後の再建をめざしてしっかり計画を練る必要がある」

 イタリア・サッカー連盟のカルロ・タベッキオ会長は、現地時間11月20日に辞意を表明した。再建をめざすカルチョの国は、まだ先行きが不透明な状況にある。バルザーリは「元選手の入閣は賛成だ。ピッチ外での経験があるならね」と語り、こう続けた。

「名前があるだけでは不十分。絶対的な指導力が必要となる。若手育成のためには、鍛えられた指揮官が必要。一度地に堕ちて這い上がったという意味では、ドイツやベルギーが良い模範になるだろう」

 イタリア代表での落胆に続き、バルザーリは出場こそしなかったが、クラブでも失望を味わった。代表ウィーク明けのセリエA13節で、所属するユベントスがサンプドリアに2-3で敗れたからだ。

 3位に転落したユーベは13節を消化して14失点と、昨シーズンまでの鉄壁の守備に陰りが見えはじめている。バルザーリは「精神面での働きかけ、試合中に調子を落とさないようにする努力が必要」と、チームに奮起を促している。

「失点しないためのもう少しの努力が足りないんだ。今シーズンはわりと簡単にシュートまでもっていけているが、相手にも同じプレーを許し、失点も多い。これは優勝を狙うチームにあってはならない欠点だ」

 長年に渡って守備の国イタリアでトップクラスのパフォーマンスを披露してきたベテランDFのメッセージを、イタリア・サッカー界とユベントスのメンバーは教訓にできるだろうか。
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