ベンゼマが“あの名将”との衝突の日々を振り返る。「ネコ呼ばわりされて敬意を失いかけた」

2017年11月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

1時間にも及ぶ話し合いで関係改善を図る。

ジダンとは良好な関係を築くベンゼマだが、モウリーニョには公の場で「ネコ」と呼ばれた辛い過去が。 (C)REUTERS/AFLO

 レアル・マドリーのカリム・ベンゼマは、かつてジョゼ・モウリーニョ監督(現マンチェスター・ユナイテッド)から、ネコ呼ばわりされたことに強く反発していた。『ESPN』によれば、母国フランスのTV局『Canal +』で「指揮官への敬意を失いかけた」と明かしている。

 モウリーニョ監督はR・マドリーを率いていた2011年の記者会見で、ゴンサロ・イグアイン(現ユベントス)が負傷離脱した件について訊かれ、こう答えていた。

「犬を連れて狩りができないなら、ネコでいくしかない。犬のほうが狩りは上手いし、より多くの獲物を手に入れられるんだがね」

 もちろん、ここで言う「犬」はイグアインで、「ネコ」がベンゼマだ。フランス人ストライカーはこの指揮官の発言にひどく心を痛め、この日を境に、それまで良好だったモウリーニョとの関係が壊れはじめたという。

「モウリーニョはそう言いながら笑っているようだった。彼のことは監督として尊敬していたけど、さすがにあの発言のあとは敬意を失いかけたよ」

 だがベンゼマは、みずから指揮官に直訴することで関係改善を図った。1時間にも及ぶ話し合いの中で、「僕はサッカー選手であなたは監督だ。僕はあなたをリスペクトする。だから、自分のことも選手としてリスペクトしてほしい」と要求したという。

 その後、モウリーニョが「犬」や「ネコ」といった表現を用いることはなくなった。

「僕はシャイだけど、笑い者にされるようなことがあれば、ちゃんと話をする。自分の気持ちをしっかり伝えれば、結構うまくいくものだからね」

 コミュニケーションをとることの重要性を強調したベンゼマは、今シーズンのリーガ・エスパニョーラでまだ1ゴールしか奪えておらず、試合のたびにメディアやファンから厳しい声を浴びせられている。

 そんな中でも、ジネディーヌ・ジダン監督は同胞のストライカーを擁護してきた。同じフランス出身の両者の間では、おそらく良いコミュニケーションがとれているのだろう。
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