メッシが明かした将来の青写真。“理想の引退”は「バルサで」ではなく…

2017年11月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

マラドーナやテベスのように…。

長くバルサの大黒柱として君臨しているメッシが口にした理想の花道は、バルサで歩むものではなく……。 (C) Getty Images

 プロキャリアをスタートさせてからサクセスロードを歩み続け、今や世界最高のフットボーラーとなったリオネル・メッシ。30歳となって円熟味も増してきたストライカーは、今後のキャリアについてどのようなイメージを描いているのか。

 それについて彼は、母国アルゼンチンの大手メディア『Tycスポーツ』に、未来の「青写真」を明かした。
 
 2004年10月16日のエスパニョール戦でブラウグラーナ(青と赤。バルセロナの愛称)のユニホームを身に纏ってプロデビューしたメッシのキャリアに、もはや説明は不要だろう。バルサでは通算600試合に出場して523ゴールを決め、バロンドールは5度も手にするなど、名実ともに世界最高選手だ。
 
 13歳からバルサでプレーしているメッシだが、今年7月にバルサと2021年6月までの延長契約を発表した際に、通例であればその後に行なわれるはずの契約完了の発表会見は開かれていないために「まだサインは交わされていないのではないか」と、メディアで取り上げられて、不透明な状況が続いている。
 
 そうした状況をふまえて、今夏の移籍市場ではマンチェスター・シティへ電撃加入の噂も上がったメッシだが、本人は、そういった噂を一蹴するかのように、母国メディアで幼き頃から見続けきた夢を口にした。
 
「僕はニューウェルスでプレーしたいと思い続けている。それが僕の夢だからね」
 
 ニューウェルス・オールドボーイズは、メッシがバルサに加入する前に所属していた地元ロサリオのメジャークラブであり、アルゼンチンの超名門だ。現行の契約を全うしたとして、34歳となるバルサの背番号10は、「ニューウェルスで引退するのか?」という問いに、こう答えている。
 
「僕はそうしたい。それはずっと言い続けてきたことだ。ただ、僕が小さい頃に夢に見ていた話でもある。もちろん、バルサに不満があるわけじゃないし、戻るためには、その年齢でもニューウェルスでやれるだけのレベルを維持しないといけない」
 
 欧州でプレーした後に母国へ"里帰り"するアルゼンチン人選手は少なくない。
 
 あのディエゴ・マラドーナも、薬物騒動に揺れたキャリア晩年に、愛着のあるボカ・ジュニオルスに復帰し、1997年10月に「俺は数多くの過ちを犯したが、フットボールを汚したことはない」という名言を残してピッチを去ったのは、今でも語り草だ。
 
 近年では、カルロス・テベスが2015年6月にボカに戻っている。元アルゼンチン代表FWは2016年に上海申花に移籍してからも、「俺の夢は変わらない。いつかボカに戻ることだ」と明言し、古巣での引退を公言してはばからない。
 
 メッシもそうした風潮に乗るのか。現時点では、本人が語るように「夢」の域を出ない話でもある。実現するためには、サラリーなど、あらゆる問題を解決する必要性があるだろう。
 
 しかし、今年6月に行なった幼馴染のアントネッラ・ロクソさんとの結婚式も生まれ故郷のロサリオで開くなど、メッシが地元愛を強く持っていることを考えれば、ニューウェルス復帰願望は単なる放言とは言えない。はたして、メッシの夢は正夢となるのだろうか。
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