【W杯欧州予選プレーオフ】スイスが敵地で先勝! 北アイルランドは厳しいPK判定に泣く

2017年11月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

エリア内では堅守を誇ったホームチーム

ロドリゲスのPKから、スイスが貴重な1点を奪い取った。北アイルランドとしては、C・エバンスが半身の体勢でブロックにいき、引っ込めていた腕にボールが当たっただけに、この判定は厳しく映ったことだろう。なお、両国の対戦成績は2勝1分け2敗のタイとなった。 (C) Getty Images

 11月9日(現地時間)、ロシア・ワールドカップ欧州予選プレーオフの第1レグが行なわれ、スイスが1-0で北アイルランドを下し、敵地ベルファストで先勝を収めた。

 予選10試合中9勝を挙げながら、最終節でポルトガルに敗れたことで首位から陥落したスイスと、予選の総失点は6と堅守の光る北アイルランド。試合は立ち上がりこそ後者が積極的に攻めるも、間もなく両国の特徴がそのまま反映され、アウェーチームの攻勢となった。
 
 スイスは中盤を支配してサイドから崩していくかたちが主で、10分、12分には左サイドを攻略し、最後はいずれもジャカがペナルティーエリア手前から、わずかに枠を外れるダイレクトシュートを放つ。
 
 対する北アイルランドも14分、FKからのクリアボールをK・ラファティーがボレーで合わせ、これで得たCKではJ・エバンスが競り合いに勝ってフィニッシュまで持ち込んだ。
 
 18分、スイスはシャキリの右からのクロスに、CFセフェロビッチがダイレクトで合わせ、初の枠内シュート。これはGKマッガバンが好反応でストップした。
 
 スイスが7割方ボールを支配し、敵陣でほとんどの時間を過ごしていった前半。とはいえ、これは北アイルランドにとって想定の範囲中だったのだろう。中盤、サイドでは相手に自由を許すも、ペナルティーエリア内では完全に相手を封じ切り、スコアレスでの折り返しに成功した。
 
 後半、開始から1分も経たないうちにスイスが、ロドリゲスの左からのクロスが流れたところを拾ったジャカが、フリーで狙いすましたシュートを放つも、わずかにクロスバーを越える。
 
 時間の経過とともに雨が強くなっていくなか、後半もスイスの攻勢は変わらず。55分にはロドリゲス→ジェマイリと繋ぎ、相手DFをかわしてのクロスにセフェロビッチがゴール前で懸命に足を伸ばしたが、ゴールに押し込むことはできない。
 
 しかし57分、ついに試合が動く。左からのクロスにシャキリが左足のダイレクトボレーで合わせると、ボールは寄せに行ったC・エバンスにヒット。これがハンドと判定され、PKを獲得したスイスは、キッカーのロドリゲスがマッガバンの逆を衝いて先制ゴールを手にした。
 
 リードを許した北アイルランドは、同点を狙って攻撃の頻度を高める。そこに創造性は微塵も感じられないが、セットプレーやスローインで活路を見出そうとし、71分にはFKからマゲニスがヘディングシュートを放ち、その1分後にもやはりFKでブラントが直接狙うも、いずれもゴールマウスを逸れていった。
 
 スイスは相手の攻撃をしのぎながら、反撃の際には連係プレーから敵陣ペナルティーエリア内の深い位置にも侵入するなどチャンスも作るが、最後の部分で精度を欠いたり、北アイルランドDF陣の冷静な対処によって、決定機を生み出すまでには至らない。
 
 結局、試合はこのまま終了し、スイスが敵地で1点のリードを守り切った。結果自体は予想通りと言えるが、北アイルランドの守備は十分に効果的であり、スコアレスに終わっていてもおかしくはない内容だった。
 
 運命の第2レグは12日、バーゼルで行なわれる。有利な立場となったスイスが4大会連続11回目の本大会出場を決めるか、あるいは北アイルランドが逆転で1986年メキシコ大会以来となる大舞台(4回目)へのチケットを手にするか!? まだ、戦いは終わっていない。
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