「俺がいた頃のほうが強い」イブラヒモビッチが母国とイタリアのプレーオフに言及

2017年11月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

「俺の代表での物語は終わった」と復帰を完全否定。

イブラヒモビッチは「もちろん俺がいたほうが強いだろう」としつつも、現在のスウェーデン代表への期待を口にした。 (C)Getty Images

「ズラタン・イブラヒモビッチが代表から引退してくれていたのはアドバンテージだ」

 ロシア・ワールドカップ欧州予選のプレーオフでスウェーデンとの対戦が決まったとき、イタリア・メディアにはこういった論調がみられた。アッズーリの面々も、現在のスウェーデン代表の選手たちに敬意を払いつつ、「イブラヒモビッチの不在は大きい」と口を揃えている。

 では、イブラヒモビッチ自身は、スウェーデンの相手がイタリアに決まったことについて、どう思っているのか。

 イタリア『スカイ・スポーツ』が現地時間11月8日に実施したインタビューによれば、組み合わせが決まったとき、イブラヒモビッチは「美しい2試合になる」と思ったという。そして「イタリアでもっとも警戒している選手は?」との問いには、パリ・サンジェルマン時代のチームメート、マルコ・ヴェッラッティの名前を挙げた。

「マルコはイタリアのイブラヒモビッチさ。(スウェーデンが)もっとも恐れなければいけない選手だ。間違いなくイタリア最強のひとりで、素晴らしい才能がある。俺はパリ・サンジェルマン時代、彼が成長し、世界有数の選手に成長する様子を間近で見てきたからね」

"王"と呼ばれた男の代表引退で、スウェーデンの戦力が低下したのは否めない。それでもイブラヒモビッチは、「俺が抜けたことで、チームにかかるプレッシャーは大きく軽減した」と指摘している。

「俺がいた頃は、ワールドカップやユーロには出場して当たり前のように思われていた。でもいまは俺がいなくなり、そのへんの期待値が明らかに下がっている印象を受ける。失う物がないチームは、きっと伸び伸びと戦えるはずさ」

 もっとも、戦力が低下したことについては否定しておらず、「もちろん俺がいた頃のほうが強かった」と、彼らしいビッグマウスが飛び出したが、同時に現代表への信頼も口にしている。「このチームは俺抜きでも素晴らしい仕事をする。今回の予選でも、フランスとオランダが同居する難しいグループを2位で通過し、プレーオフを戦う権利を手にしたんだからな」

「(現代表に)"新しいイブラヒモビッチ"がいるかどうかは分からないが、このチームの強みは組織力だ。スウェーデンは新しいサイクルを始めたばかり。いまは後ろを振り返らずに、しっかり前を見据えていかなければならない」

 そう語る元エースは、「スウェーデンのワールドカップ出場を目にすることができたらこんなに素晴らしいことはない」としつつも、本大会で代表に復帰する可能性については完全に否定した。

「いまは一日も早く怪我を治し、ピッチに戻ることだけを考えている。代表での俺の物語は完全に終わったんだ。もっとやれたかもしれないし、やれなかったかもしれない。とにかく代表での俺の時間は終わったのさ」

 イタリア有利との下馬評を覆し、スウェーデンはロシア行きのチケットを手に入れられるのか。第1レグは10日、スウェーデンのホーム(ストックホルム)で開催される。
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