ヘディングと認知症の因果関係は? 元イングランド代表のレジェンドがTV番組で徹底調査

2017年11月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

「若い頃、一日に150回はヘディングをしていた」

豪快なフィニッシュが真骨頂だったシアラー。イングランド代表でも歴代6位タイの30得点を叩き出した。(C)Getty Images

 度重なるヘディングは脳にダメージを与え、やがて認知症などの病につながるのか。昨今注目を集めているこのトピックに、元イングランド代表のレジェンドが切り込んだ。自身のキャリアで挙げた通算252ゴールのうち、実に5本に1本がヘディングによる得点(46点)だった名手、アラン・シアラーだ。
 
 現在47歳。英国国営放送『BBC』のサッカー番組で名物解説者として活躍中だ。そんなシアラーがヘディングと認知症の因果関係について考え始めたのは、2015年公開の米映画『コンカッション』を鑑賞したのがきっかけ。アメフトという競技が脳に与える影響を探求した、実在の医師の物語である。元プロサッカー選手の中にも認知症を患う者が多いと聞かされ、自身も他人事ではないと感じるようになった。
 
 今週日曜日の11月12日、シアラーがホストを務めるドキュメンタリー番組「認知症、フットボール、そして僕」が『BBC』で放送される。その中で彼は認知症に苦しむ元選手や家族の元に足を運んでインタビューを敢行。さらにヘディングがどのように脳に影響を与えるのかを検証し、みずからが検体となって、CTスキャンや記憶力テストなどを通して自身の脳をあらゆる角度からチェックしたという。
 
 診断結果は放送で明かされるが、シアラーは番組紹介の一環で英紙『Mirror』の取材に応え、こう想いを明かしている。
 
「これまで十分な検証がされてこなかった分野だ。どこかで見て見ぬふりをされてきたように思う。現実を見れば、年老いた元プロフットボーラーで、認知症に苦しんでいる方は本当に多い。目を背けてはいけない現実なんだ。(番組内での)テストはまあ、酷いものだった。僕の記憶力はかなり拙いレベルだったね」
 

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