難敵セビージャから2発。故障者続出&エース沈黙のバルサを、24歳の控えFWが救う!

2017年11月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

バルベルデ監督の采配がまたしても的中。

妊娠中の妻とお腹の赤ちゃんにゴールを捧げるパコ・アルカセル(右)。指揮官の大抜擢に見事応えた。(C)Getty Images

 現地時間11月4日、リーガ・エスパニョーラ第11節が行なわれ、バルセロナはホームでセビージャに2-1の勝利を収めた。

 4日前に開催されたチャンピオンズ・リーグのオリンピアコス戦を、今シーズン初の無得点(スコアは0-0)で終えていたバルサは、その試合で負傷したセルジ・ロベルトとアンドレ・ゴメスを欠く苦しい状況。リーガでは10節までにわずか3ゴールと、極度の"ゴールスランプ"に陥っていたエース、ルイス・スアレスの奮起が期待された。

 意外だったのは、前線の右サイドの人選。ジェラール・デウロフェウ、あるいはデニス・スアレスの起用が予想されるなか、リーガでは開幕戦以来のスタメン出場となったパコ・アルカセルが抜擢された。

 このエルネスト・バルベルデ監督の采配が、ずばり的中した。

 ホームのバルサは、キックオフと同時にセビージャ陣内を支配。流れるようなパスワークで敵の守備網を切り裂き、いずれもゴールにはつながらなかったものの、5分までの間に、リオネル・メッシ、セルヒオ・ブスケッツ、スアレスが立て続けに決定機を得た。

 中盤で圧倒的な存在感を放ったのは、アンドレス・イニエスタだった。故障明けとは思えないハイパフォーマンスでバルサ攻撃陣を牽引。33歳のテクニシャンは、大粒の雨が舞うカンプ・ノウのピッチに、極上のアートを描きつづけた。

 バルサに先制点が生まれたのは、23分だった。そのイニエスタの縦パスを左サイドで受けたスアレスが、逆サイドに大きく展開。セビージャDFセルヒオ・エスクデロのミスを巧みについたパコ・アルカセルが、飛び出したGKの脇を抜く技アリの一撃を突き刺した。

 その後バルサは、セビージャMFギド・ピサーロのCKからのヘッドで追い付かれるものの、65分にふたたび突き放す。チームを救う追加点を叩き込んだのは、またしてもパコ・アルカセルだった。イバン・ラキティッチのクロスに飛び込むと、伸ばした左足のつま先で押し込んだ。

 エースのスアレスは、この日も精彩を欠いた。動きそのものは悪くなく、プレーにも積極的に絡んだが、ゴール前での存在感はほぼ皆無。この窮地を救ったのが、24歳の若きストライカーだった。

 伏兵パコ・アルカセルの活躍で難敵セビージャを下し、勝点3を獲得したバルサは首位の座をキープ。数時間前にレガネスをホームで撃破(3-0)していた2位バレンシアとの勝点4差を維持することに成功している。
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