伊藤達哉が2つの得点に貢献し、ハンブルクが実に9試合ぶりの勝利!

2017年11月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

酒井高徳と浅野拓磨はフル出場を果たす

序盤で数的優位に立つという幸運を得、これを活かしたハンブルク。伊藤(手前)は67分間で効果的なプレーを幾度も披露し、酒井(右端)もミスは散見したが、最後まで走り続けた。 (C) Getty Images

 11月4日(現地時間)、ブンデスリーガ第11節が行なわれ、ハンブルクは3-1でシュツットガルトを下した。
 
 
 日本人対決としても注目されたこの一戦、酒井高徳はボランチの一角、伊藤達哉は2列目の右サイド、そして浅野拓磨は前線右サイドで、いずれも先発出場を果たした。
 
 降格圏内一歩手前の16位に沈んでいるハンブルクのホームゲーム、最初のチャンスは12位のシュツットガルトに訪れる。3分、縦パスでFWギンチェクが抜け出してGKと1対1の決定機を迎えたが、シュートはGKマテニアに当たってクロスバーを越えた。
 
 ほぼ互角で進んだ試合の流れが大きく変わったのは13分。4分にすでに警告を受けていたブルニッチが、背後から仕掛けたスライディングによって退場処分を受け、アウェーチームが数的不利を負うこととなったのである。
 
 ハンブルクは思わぬかたちでアドバンテージを得るが、20分の先制点も意外なかたちで生まれた。伊藤がファウルを受けて得たゴール正面でのFKで、ハントがゴール左隅を狙って蹴ると、GKツィーラーは反応していたものの取り損ない、ポスト、彼の足と、はね返ってゴールラインを割ったのである。
 
 5試合ぶりにホームでゴールを奪ったハンブルク。そのきっかけを作った伊藤は、26分、28分とスルーパスを味方に通してチャンスを作り、19分、31分にはスピードで相手DFを振り切ってクロスを上げるなど、数は多くないものの、持ち味を発揮する。
 
 一方の酒井は、雨のせいかボールコントロールやパスが乱れてボールを失う場面が幾度も見られたが、運動量は相変わらず多く、身体を張った守備を見せた他、アディショナルタイムには自陣で鋭い反転で前を向いてドリブルで突き進み、シュートまで持ち込んでスタジアムを沸かせた。
 
 退場劇以降は、ほとんどの時間帯がシュツットガルト陣内で進んだ前半が終わり、後半は最初にシュツットガルトが攻撃を仕掛け、前半は守備に奔走して攻撃にほとんど絡めなかった浅野が左サイドでチャンスを作りかける。
 
 浅野は49分にも右サイドを抜け出してドリブルでペナルティーエリア内に侵入し、DFを切り返しでかわしてからシュートを放ったが、ボールは大きく枠を外れた。
 
 シュツットガルトは前半と異なり守備一辺倒ではなく、積極的に攻撃も仕掛ける。そして52分、左サイドで得たFKで、ギンチェクが合わせようとしたところを、クリアしようとしたハンブルクのディークマイアーがハンドを犯し、VARによってPKを獲得する。キッカーのギンチェクは冷静にGKの逆を衝いて同点ゴールを決めた。
 
 ひとり少ないにもかかわらず追い付かれたハンブルクは、その後、効果的なプレーが見せられず、ミスも目立つようになる。逆にシュツットガルトは個々が良いプレーを見せ、幾度も相手ゴールに迫っていった。
 
 ハンブルクにとっては悪い流れとなりつつあったが、65分、伊藤が中央に切れ込んでハントに縦パスを通すと、ここから右サイドのディークマイアーへ。彼が上げたクロスには、逆サイドから走り込んだコスティッチがダイビングヘッドで合わせて、ゴールネットを揺らす。
 
 さらにその4分後には、エリア内でアルプが後ろ向きでボールを受け、ワンタッチで背後のマーカーをかわすと、巧みなフェイントでもうひとりのDFをかわして自らシュートコースを作り、ゴール左隅に流し込んだ。
 
 2点のリードを奪って完全に勢い付き、その後もコスティッチ、ハント、ヴァルトシュミットらが惜しいシュートを放ったハンブルクは、最後まで攻勢を保ち続けて、試合終了を迎えた。2節ケルン戦以来、実に9試合ぶりの勝利で、ようやくリーグ3勝目を飾った。
 
 2つの得点に貢献した伊藤は"例によって"67分に途中交代、ピッチを広く動き回って汗をかき続けた酒井、そして後半の序盤以外はストレスの溜まる時間を過ごした浅野は、フル出場を果たしている。
 
 代表ウィークを挟んでの次節、ハンブルクは11月19日にシャルケとアウェーで対戦し、シュツットガルトは17日にドルトムントをホームに迎える。
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