香川の一瞬の閃きで先制も、ドルトムントはまたもAPOELとドロー…決勝Tはさらに遠のく

2017年11月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

多くの逸機とカウンターからの失点…

見事なアシストでチームを活性化させた香川。良いプレーや動きを見せたのは事実だが、それだけにさらに上の数字を残してほしかったというのが正直な印象だ。 (C) Getty Images

 11月1日(現地時間)、チャンピオンズ・リーグ(CL)グループステージ第4節が行なわれ、ドルトムントは1-1でキプロスのAPOELと引き分けた。


 ここまでCLでは1勝2分け、そして直近の公式戦5試合で1勝2分け2敗と低調のドルトムントは、勝たなければ決勝トーナメント(決勝T)進出が非常に厳しくなるため、必勝を期してホームでの一戦に臨んだ。そんなチームのなかで、香川真司はスタメンに名を連ねた。
 
 試合は最初にAPOELが攻撃を仕掛けるも、すぐにドルトムントがやり返し、以降はAPOELの陣内で長く試合は展開されていく。6分に好調プリシッチのドリブル突破からゲッツェがファーストを放つと、8分にヴァイグル、9分にオーバメヤンと、次々に惜しいシュートを放った。
 
 右のインサイドハーフに位置取った香川は、8分にさっそくスルーパスでオーバメヤンンにチャンスを提供した他、ゴールを意識したポジショニングでうまく攻撃に絡んでいく。11分にはゲレイロのクロスに走り込んで頭で合わせ、シュートも放った(クロスバーの上)。
 
 12分、14分にも好機を迎えたドルトムントだが、APOELが守備の枚数を増やすと、徐々に効果的な攻撃を仕掛けられなくなっていく。長く攻めあぐねる時間帯が続いたが、この悪い流れを変えたのが、香川の一瞬の閃きだった。
 
 29分、右サイドのヴァイグルからボールを受けた香川は、素早くダイレクトで前へ。これが、DFラインの裏に走り抜けたゲレイロにぴったり合い、ついにドルトムントがAPOELの分厚い守備の壁をこじ開けた。
 
 攻撃を活性化させた香川は、その後、自陣に戻って数少ない危ない場面をスライディングで防ぐなど、攻守でも好プレーを披露する。
 
 ドルトムントは37、38分とスムーズにパスを繋いでフィニッシュまで持ち込み、40分には相手DFのミスからオーバメヤンが独走するという決定機も迎えたが、これはシュートがうまくいかず、1点のリードで7割のボールポゼッションを誇った前半を終えた。
 
 後半もドルトムントが完全にボールを支配し、再三、相手ゴールに迫るが、51分にスタジアムは沈黙に包まれる。APOELは敵陣でのボールカットからアロネフティス→カルロンと繋ぎ、ニアでクロスを受けたポテが、反転からゴール右隅にシュートを突き刺した。
 
 前節に続いてポテに同点弾を許したドルトムントは、すかさず反撃を狙い、ここで香川にゴールチャンスが立て続けに訪れたが、55分のフリーでのドリブルシュートは左に逸れ、59分のペナルティーエリア手前でのシュートは相手DFにブロックされる。
 
 APOELは攻守で動きが活発になり、自陣ゴール前で身体を張って相手のシュートコースを塞ぐ点は前半と一緒だが、さらに後半はここから再三カウンターを仕掛けて、ホームチームを脅かしていった。
 
 そんなアウェーチーム相手に、ドルトムントは連係での揺さぶり、個人の仕掛け、そして新たな攻撃選手の投入など、様々な手を打って次の1点を狙う。73分に香川のマイナスのパスからゲッツェが強烈なシュートを放ち、その1分後にはプリシッチのクロスをオーバメヤンが頭で合わせるが、相手DFのブロックとクロスバーに阻まれた。
 
 逆に、80分にサイードにフリーのシュートを許したり、43分にもパスを繋がれて右サイドから危ないクロスを入れられたりと、ピンチを迎えたドルトムントは、アディショナルタイム、CKからのオーバメヤンの決定的なダイビングヘッドも、ゲッツェのシュートも外れ、勝ち越せないまま試合終了を迎えた。
 
 無数にあったチャンスを活かせず、前節に続いての1-1。数字上ではまだ、グループステージ突破の可能性を残しているものの、状況はさらに厳しくなった……。次節は11月21日、今節でレアル・マドリーを下して首位に立ったトッテナムをホームに迎える。
 
 香川は後半、多くのシュートを放ち、またペナルティーエリア内では幾度も決定機に絡みそうになったが、一瞬遅れたり、またボールコントロールが乱れたりして、フィニッシュまで持ち込めなかった。良さを見せた反面、悔いも残したと言えるかもしれない。
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