【浦和】「堀さんに代えてもらおうと思った」20ゴール到達の興梠が途中交代を選択した理由

2017年10月23日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「ほんと触るだけくらいの感じで、完璧に崩せたと思います」(興梠)

興梠は73分にチーム3点目をゲット。今季のリーグ通算得点数を「20」の大台に乗せた。写真:サッカーダイジェスト

[J1リーグ30節]浦和3-3G大阪/10月22日/埼玉ス

 2-2のスコアで迎えた73分、浦和は興梠慎三のひと振りで勝ち越しに成功した。

 自陣ゴール前でG大阪のファン・ウィジョの突破を阻んだマウリシオから中盤の柏木陽介のボールが渡り、そこからカウンターを発動。すると、最終ラインの背後に上手く抜け出した「背番号30」は、まさに阿吽の呼吸で柏木からスルーパスを引き出した。

「良いタイミングで出してくれたし、ほんと触るだけくらいの感じで、完璧に崩せたと思います」

 自画自賛したこの得点で、今季リーグ戦の得点数はキャリアハイとなる20ゴールに到達。前日に2ゴールを決めたC大阪の杉本健勇に得点ランクトップに並ばれていたものの、再び突き放した。残り4試合となったリーグでの得点王も視野に入るが、「そこがすべてではない」と強調する。

「まずは、勝つことが前提。自分のためではなくて、チームのために点を取りに行っているので、勝ち切れなかったのは悔しい」

 チームはその後、後半アディショナルタイムに与えたCKから同点ゴールを許し、土壇場で引き分けに。ミッドウィークに行なわれた上海上港とのACLでは堅守を誇ったが、この日はリードするたびに追いつかれて勝点2を失った。

 国内(リーグ、ルヴァンカップ、天皇杯)での無冠がすでに決定している浦和にとって、残りのシーズンでの目標は、10年ぶりの決勝進出を果たしたACLでタイトル獲得を目指すのみ。興梠の言葉からも、その意識が十分に伝わってきた。

「得点王より、ACLのタイトルが欲しい。今日も90分やろうと思ったんですけど、ACLの疲れなのか、日頃はあまりないようなところの筋肉が張っていたので、チームがリードしている間に堀さんに代えてもらおうと思った。なにより怪我が怖かったので」

 紆余曲折を経てきたシーズンも残り数か月。最後に歓喜を味わうべく、興梠は戦い続ける。

取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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