レッズに敗れて絶体絶命のピンチ! それでも上海上港・ヴィラス=ボアス監督は違約金が…

2017年10月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

1200万ユーロとも言われる巨額年俸。

はたしてヴィラス=ボアス監督はわずか1年で中国を去るのか。ノンタイトルが許されない窮地に。(C)Getty Images

 アジアチャンピオンズ・リーグ(ACL)準決勝で浦和レッズに敗れ、中国国内で批判の的となっているのが、上海上港のアンドレ・ヴィラス=ボアス監督だ。
 
 鳴り物入りで今季から新政権を発足させ、フッキ、エウケソンに加え、チェルシーから6000万ユーロ(約77億円)でオスカールを獲得。言い訳の利かない国内屈指の陣容で臨んだが、最終盤に突入した中国スーパーリーグは首位・広州恒大と6ポイント差を広げられ、逆転優勝が厳しい情勢だ。そして今回ACLの敗退が決まり、残るタイトルはCFAカップ(中国の天皇杯)のみ。こちらは決勝まで勝ち進んでおり、11月にホーム&アウェーで開催される。対戦相手はエリアライバルの上海申花だ。
 
 ポルトガル人指揮官は「CFAカップに全精力を傾ける。クラブに初のタイトルをもたらしたい」と意気込むが、クラブ周辺はその手腕に懐疑的で、中国メディアの反応も冷ややか。年俸は1200万ユーロ(約15億5000万円)とも言われる。それに見合う働きを示していないという論調だ。
 
 国営放送『中国中央電視台』の人気キャスターであるバイ・ヤンソン氏は、「もはやヴィラス=ボアスは去るべきだろう。彼は何度も問題を起こしてベンチ入りを禁止されている。中国を去ったほうが彼のためだと思う」とコメント。国民に大きな影響を及ぼすご意見番にこうもばっさり切り捨てられては、立つ瀬がない。
 
 さらに、『上海上観新聞』は、「そもそもリーグ優勝は就任当初から難しいミッションだったのだ」とし、「ヴィラス=ボアスは来季の巻き返しを期して強化プランを練っているようだが、そう容易く現職を続けられはしない。まずはなにを置いても、CFAカップでの優勝だ。それを成し遂げなければ先は見えない」と断じた。
 
 指揮官の母国ポルトガルのポータルサイト『SAPO』は、解任にはハードルがあると指摘。「ヴィラス=ボアスと上海上港は複数年契約を結んでいて、クラブ側が解任するとなれば、その年俸からしてかなりの額の違約金を支払わなければならない。パリ・サンジェルマンの新監督就任の噂もあるだけに、ヴィラス=ボアスにとっては痛くも痒くもないだろう」と論じている。上海上港にとっても、痛くも痒くもない違約金かもしれないが……。
 
 言動がエキセントリックで、今季だけでもなにかと話題を振りまいてきた40歳の智将。できればアジアに残ってもらい、来季以降もACLで、Jリーグ勢と鎬を削ってほしいところだ。
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