【釜本邦茂】とにかくシュートが下手! 乾の技術に可能性は感じたが、アピールに成功した者は…

2017年10月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

このレベルの相手は圧倒して勝たなければいけない。

後半途中からの出場で攻撃にリズムをもたらした乾。勝ち越しゴールの起点となった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ2017]日本 2-1 ニュージーランド/10月6日/豊田スタジアム

 日本とニュージーランドのテストマッチは終盤の倉田のゴールで勝ちはしたものの、どこか消化不良の印象が残る試合だった。
 

 その最大の原因は、やはり香川も試合後のインタビューで言っていたけど、「決定力不足」の一言に尽きる。雨で濡れたピッチだったとはいえ、とにかくシュートが下手だ。あまりにも精度がひどすぎた。雨の中でもシュートの練習はやっておかないとダメだ。
 
 もちろん、シュートの精度だけではなくて、敵があれだけ自陣にひいてゴール前に壁を作っているわけだから、最後のところでのひと工夫も欲しかった。ニュージーランドは日本のパス回しや前からの積極的な守備についていけなかっただけに、もう少しテンポを変えるなどして、揺さぶるところがあっても良かった。
 
 そういう意味では、後半途中に入った乾のプレーは効いていた。左サイドからドリブルで仕掛けたり、後方から上がってくる選手を効果的に使ったり、ニュージーランドのブロックを確実に切り崩した。倉田の決勝点も、この乾の仕掛けとクロスから生まれている。
 
 現時点で結論を出す必要はないと思うけど、乾の使い方としてスーパーサブ起用は効果がありそうだ。スタートは原口や武藤といった、より走力のある選手でかき回して、相手に疲れが見え始めてスペースができたところで乾を投入する。1試合を通じて、こういう流れができれば、乾のテクニックも活きるだろうし、なにより得点の可能性を感じるよ。
 
 ただ正直なところ、ニュージーランドという相手に、明るい材料が乾を中心とした崩しくらいしか感じられないのでは、ワールドカップに向けてちょっと先行きが不安だ。ワールドカップで上位を目指すのであれば、このクラスの相手は圧倒して勝つくらいのパフォーマンスを見せなければいけないよ。

次ページ輝きを放った乾も後半途中からの出場。6人の交代もあり十分なアピールとは言えない。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事