【日本代表】気になる“アンカー問題”。長谷部誠の代役探しは急務だ

2017年09月30日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

山口蛍をベストポジションで使うためにも…。

今回守備的MFとして呼ばれたのは、山口、井手口、遠藤の3人。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 ニュージーランド、ハイチと戦う10月シリーズの見どころのひとつが、中盤の機能性だろう。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の下では長谷部誠を欠くと、中盤の構成力が下がる傾向にある。17年3月のタイ戦は山口蛍と酒井高徳の急造ボランチコンビが低調なパフォーマンスに終始し、9月5日のサウジアラビア戦ではアンカーを務めた山口の両脇にあるスペースをサウジアラビアに上手く使われた。
 
 アウェーで2-0と完勝した3月のUAE戦も、実はアンカーだった山口の寄せの甘さから大ピンチを招いている。今回のワールドカップ・アジア最終予選の戦いぶりから判断するかぎり、長谷部以上のアンカーは見当たらなかった。
 
 現在33歳の長谷部に依存している現状は看過できない。アジア予選ならまだしも、来年6月の本大会でこのベテランMFに頼りきるようでは厳しい戦いを余儀なくされるのではないか。
 
 長谷部の代役となれるアンカーの発掘は、ロシア・ワールドカップに向けて早急に解決すべき課題のひとつだ。そのソリューションとなるべき選手が山口なのか、今回呼ばれた遠藤航なのか。それとも、成長著しい井手口陽介(10月シリーズのメンバー発表の席でハリルホジッチ監督は井手口を「守備的MF」枠に入れていた)か、はたまた前回の代表活動で招集された髙萩洋次郎か。
 
 ひとつ確かなのは、山口はインサイドハーフでのほうが計算しやすいということだ。山口をベストポジションで使うためにも、アンカー・長谷部の代役探しは重要だろう。
 
 サッカー大国ではないニュージーランドやハイチを相手にアンカーの脇のスペースを攻略されるようであれば、それこそ緊急事態になる。
 
 果たして、ハリルホジッチ監督はどんなシステムや戦術で10月の連戦に挑むのか。大胆な起用法でこれまで何度かメディアを驚かせてきたように、この指揮官は長谷部不在時の対処法についてなにかしらの回答を示してくれるかもしれない。

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