選手のサインは買う時代? 「スポーツメモラビリア」市場に迫る

2017年09月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

アメリカの巨大マーケット。ベーブルースのユニフォームが4億円 !

メッシやC・ロナウドの直筆サインものは、いまや投資家たちの将来的な換金を想定する対象となっている。

 あこがれの選手のサインをもらうと、嬉しくてやる気になったり、なんだか誇らしくなったりするもの。しかし、サッカー界のスーパースターのメッシやクリスチアーノ・ロナウドから、直筆サインをゲットするのは至難の業だ。そのため、現代のサポーターはサインを手にしようと大金を支払っている。
 
"サインは直接もらうもの"、そんな常識が崩れる中、世界で拡大する新興マーケットの動向を、欧州サッカーやメモラビリア文化の魅力を知る、株式会社モーメント代表の伊藤大也氏に伺った。
 
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 メモラビリア(=記憶すべき出来事・品物。とくにスポーツや芸能などのコレクション)市場をリードするのは、やはりアメリカだと伊藤氏は言う。
「米経済誌『フォーブス』によると、直筆サインが入ったスポーツメモラビリアの市場は2012年時点で約1,500億円と言われています。全米に広がるスポーツメモラビリアの取扱い店舗数は優に1,000を超えています」
 
 アメリカでは選手の直筆サインものは、すでにビジネスになっており、鑑定する大きな会社まで存在している。スポーツに関心の高い熱心なコレクターだけでなく、将来的な換金を想定する投資家たちも対象となっている。前者は(かなり困難だが)自分で選手に会って書いてもらったものが宝物になるが、後者にとってみれば、本物かどうか証明されていることが大切になってくる。確実に本物を手に入れるために、大金が動くというわけだ。
 
「年間約50億円~100億円の売上を誇るメモラビリア・ブランドも多数存在し、その中の大手スタイナー社は、ニューヨーク・ヤンキースの直筆サイン入りメモラビリアの独占販売権を持つことで有名ですね。ちなみにスポーツメモラビリアの世界最高額は、2012年に約4億円で落札されたベーブルースが着用していたユニフォームです」(伊藤氏)

 それでは、日本国内におけるスポーツメモラビリア市場はどうなのだろうか。現状とその可能性ついて伊藤氏に聞いた。

次ページ経産省がスポーツ産業市場の活性化策を発表。メモラビリア市場の拡大に追い風か。

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