柴崎岳の離脱に苦悩するヘタフェ指揮官「ガクの代わりのトップ下はなかなか…」

2017年09月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

「数か月」ではなく、「数週間」で済みそうな情勢に。

その負傷離脱によって明らかになったのは、トップ下に最適の代役がいない現実。いまや柴崎は、押しも押されもしないヘタフェの中軸だ。(C)Getty Images

 いまだ左足甲の診断結果は公表されていない。土曜日のリーガ・エスパニョーラ4節、ヘタフェvsバルセロナ戦で負傷退場した柴崎岳。バルサ相手の鮮烈ゴールで一躍名を上げたゲームだが、後半途中に相手選手に甲を踏まれてしまい、苦悶の表情を浮かべてピッチを後にした。
 
 その後、クラブのアンヘル・トーレス会長が「ガクは1か月半離脱する」とコメントしたが、それも最終的な診断結果ではなかった。9月20日の会見でホセ・ボルダラス監督が報道陣に話した内容が、いわば最新情報である。
 
「ガクの怪我については慎重に判断しなければならないが、喜ばしいのは、彼の表情が晴れやかなことだ。大きな不安はないと考えている。じつはまだ診断中で、金曜日に彼は2回目のテストを受ける。そこで最終的な結果が出されるだろう」
 
 さまざまな関係者のコメントや報道を総合すると、離脱期間はどうやら「数か月」ではなく、「数週間」で済みそうな情勢だ。
 
 いずれにせよ、ヘタフェは当面、攻撃の核を抜きに戦わなければならない。指揮官は報道陣から「メディアプンタ(トップ下)の代役は誰になるのか?」と問われ、少し想いを巡らせ、こう答えた。
 
「開幕して以降のガクは唯一無二となっていった。なかなか代役となると難しいが、それを乗り越えるのが本当のチーム力だ。穴は埋められると信じている。試合に飢えている選手はたくさんいるからね」
 
 とはいえ、人選には苦悩しているだろう。そう予測するのが、マドリードの地元紙『Capital Deporte』で、「ガクの代役が務まりそうな人材はいるが、彼ほどのクオリティーを示せるかどうかは別の話だ」と疑問を呈した。
 
 同紙の見解では、開幕からの4試合で柴崎はトップ下の位置に入りながら、実に広範囲をカバーし、攻守両面で多大な貢献を果たしていたという。とりわけ1トップのホルヘ・モリーナとの距離感が抜群で、そのターゲットマンを巧く活かしながら、みずからも輝いていたと分析した。
 
 そのうえで、候補に上げたのが以下の3選手だ。
 
「手っ取り早いのは、昨シーズンのレギュラーであるフランシスコ・ポルティージョにチャンスを与えること。だが彼は理由もなくスタメン落ちしていたわけではない。その点をよく吟味する必要があるだろうい。次善の策は、右サイドのファイチャル・ファジルをトップ下にずらす手だ。テクニックではガクに引けを取らず、なにより右サイドはアルバロ・ヒメネスやジェフェルソン・モンテーロなど代えの利く選手が控えている。ただ、ガクより運動量に乏しいか。もっとアタッカー寄りの選手を置くなら、左のアマト・エンディアイエも面白い。ほぼモリーナとの2トップに近くなるが、試してみる価値はあるだろう」
 
 そして、「ガクの負傷離脱をポジティブに捉えるなら、チーム力の底上げを図るべきいい機会と考えてもいい」と結論付けた。
 
 ヘタフェは木曜日のナイターで、5節のセルタ戦に臨む。ここでボルダラス監督が誰をトップ下に指名するのか。ひとつの注目ポイントと言えるだろう。
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