「恥ずべきアルゼンチン人の名前を叫ぶな」インテル主将とウルトラスの対立は終わらず…

2017年09月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

クルヴァ・ノルドはいまだにエースの主将を許していない。

開幕3試合で5ゴールと絶好調のイカルディ。ウルトラスと和解できていないが、インテルとの新契約が噂に上がっている。(C)Getty Images

 インテルのキャプテンを務めるマウロ・イカルディは、セリエA開幕から3試合連続ゴールと絶好調だ。しかし、その活躍にもかかわらず、ウルトラスは主将を許していないという。
 
 現地時間9月10日のスパル戦でもPKで先制点を挙げたイカルディ。3戦連続のドッピエッタ(1試合・2得点)こそ逃したものの、すでに5ゴールをマークし、パウロ・ディバラ(ユベントス)と並び得点ランキングの首位タイに立っている。
 
 当然、多くのファンはイカルディの活躍を喜んでいる。だが、ウルトラス(熱狂的サポーター)の『クルヴァ・ノルド』は違うようだ。イタリア『メディアセット』によると、スパル戦の前に一般サポーターに対して、「彼らは何にも値しない」と、イカルディを筆頭とする選手たちへの応援コールをしないように求めたという。
 
「誰のゴールでも、得点が決まったら、それはインテルの得点だ。喜ぶのはユニホームのためであり、この月並みな男たちのためではない。スタメンがアナウンスされても、この恥ずべきアルゼンチン人の名前を叫ぶのは避けてくれ」
 
 2015年のサッスオーロ戦でイカルディと衝突したクルヴァ・ノルドは、昨秋にイカルディが自伝でこのエピソードを記した際、事実と異なると猛抗議。キャプテンマークの剥奪を求め、直後の試合でも激しいブーイングを浴びせた。その影響か、イカルディはこの試合でPKを外している。
 
 最終的には、クラブからも叱責されたイカルディが、問題のエピソードを修正して自伝を再出版する形で落ち着いた。だが、クルヴァ・ノルドはいまだにイカルディを許していないようだ。
 
 これに対してイカルディは9月12日、インスタグラムも無言の反論。得点後にスタジアムで自らの名前がコールされ、それにファンが応える場面の動画を掲載した。「クルヴァ・ノルドとは違って、多くのファンは自分を支持してくれている」というメッセージにも見える。
 
 実際、チーム総得点(8)の半分以上を決めているイカルディは、インテルに欠かせない存在だ。クラブもその価値を認めている様子。13日付のイタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、インテルはイカルディとの契約から解除金設定を取り除くことも検討しているという。
 
 2021年までの現行契約には、国外向けに1億1000万ユーロ(約140億8000万円)の契約解除金が7月15日を期限に設定されている。だが、これを2億ユーロ(約256億円)に上方修正するか、設定そのものを外したうえで、イカルディと新契約を結ぶとの話が浮上しているようだ。
 
 イカルディの妻で、代理人も務めるワンダ・ナラは、昨夏もナポリ移籍をちらつかせてインテルから契約延長を勝ち取った。近いうちに、インテルは再びワンダ・ナラとの交渉に臨むことになるのだろうか。そして、それが本格化した時のクルヴァ・ノルドの反応やいかに?
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