【日本代表】「“代表経験値”が低かった」酒井高徳が感じる4年前との “ふたつの違い”

2017年08月28日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

2013年3月26日のヨルダン戦も勝てばW杯出場が決まるシチュエーションだった。

4年前のヨルダン戦で先発した酒井高徳。その時からの成長を実感している。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 ロシア・ワールドカップ予選のオーストラリア戦(8月31日)とサウジアラビア戦(9月5日)を控える日本代表が8月27日、埼玉県内でトレーニングを行なった。ドイツのハンブルクに所属する酒井高徳は、前日のリーグ戦に出場していなかったため、ランニング以外は、全体とは別メニューでコンディションを調整した。
 
 次節のオーストラリア戦に勝利すれば、6度目のワールドカップ出場が決まる――現在の日本代表はそんな状況に置かれているが、4年前のアルベルト・ザッケローニ体制下でも似たシチュエーションがあった。
 
 それは2013年3月26日のヨルダン戦だ。この試合で酒井高は先発出場。本人が言うには「覚えている範囲では、スタメンで出たのは、その時が初めて」だった。
 
 酒井高は当時を以下のように振り返る。
 
「代表で、スタメンで出るという経験がなかったし、プレッシャーをもろに感じていた若い時代で"代表経験値"が低かった。大一番を前に『これに勝ったら決まる』と言われて、非常にプレッシャーがかかっていた」
 
 勝利すれば、5大会連続のワールドカップ出場が懸かった試合。そんな大きな重圧は酒井高だけでなく、チーム全体にのしかかっていた。結局日本は敵地で1-2の敗戦を喫した(その後のオーストラリア戦で引き分けて出場権を獲得した)。
 
 しかし、今の酒井高は重要な試合を前にしても、実にポジティブ。「今は自分もチームでいろんな経験をして、代表でもいろんな試合を戦ってきたので、自信もついているし、戦い方も経験できている」と成長を実感している。
 
 さらにもうひとつ、4年前とは違いがあるという。
 
「(4年前は)アウェーで決める状況だったのと、(今回は)ホームで決められるという状況であることも違うかなと。(4年前は)ヨルダンが僕らに勝ったように、ホームのアドバンテージは大きくて、僕らがPKを外したシーンもあったし、いろんな状況のなかで戦った結果だった。今回はホームで戦える立場なので、全力で戦いたい」
 
 ホームの利を活かせるか。そして、4年間の成長を見せられるか。酒井高ら日本代表は、オーストラリアとの大一番に向け、着々と準備を進めている。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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