復帰の大迫勇也は追撃ゴールの起点となるも、ケルンは3失点で開幕2連敗…

2017年08月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

終了間際に再び得点機を迎えたが…

強さや巧さを見せる一方で、簡単にボールを失ったり、トラップミスを犯したりもした大迫だが、復帰初戦としてはまずまずの出来だったと言えるだろう。 (C) Getty Images

 8月25日(現地時間)、ブンデスリーガ第2節が行なわれ、ケルンはホームでハンブルクに1-3で敗れ、開幕戦に続いての黒星(ボルシアMGに0-1)を喫した。

【ハイライト動画】復帰の大迫勇也がフル出場も…ケルンは敗れて連敗スタート|ケルン 1-3 ハンブルク

 7月31日の練習で右足首の靭帯を痛め、開幕戦を欠場した大迫勇也は回復を果たし、コルドバとの2トップでスタメン出場。一応、ハンブルクのキャプテン、酒井高徳は2戦連続でベンチスタートとなった。
 
 ロシア・ワールドカップのアジア最終予選(オーストラリア戦、サウジアラビア戦)のメンバーに選出されたことで、そのプレーぶりが注目され大迫は、開始6分で強烈なボレーシュートを放ち、ハンブルクDF陣を慌てさせる。
 
 序盤から大迫は前線でポストワークを担い、後方からのパスを受けては、ボールを巧みに捌いていく。攻撃時に多くのボールが彼を経由する様は、復帰したばかりながら、大迫に対する周囲の信頼が感じられた。
 
 右サイドで積極的なプレーを披露したクリュンターに幾度か好パスを通した大迫。しかし、チームがボールポゼッションで大きく相手を上回る一方で、堅い守備を見せるハンブルクDF陣のマークを受け、大迫がボールに触れる機会は徐々に減っていく。
 
 そのため、20分過ぎにはポジションを下げ、縦に長い距離を動くプレーに移行。視野の広さを活かしてクリュンターへ好クロスを上げたり、振り向きざまにビッテンコートに惜しい縦パスを入れたりしたが、前半の残り時間で自身に好機が訪れることはなかった。
 
 後半に入ると、FWのギラシーが前線に加わったことで、大迫は2列目に下がってプレー。48分には速い攻めからクレメンスに決定的なパスを通したが、シュートはわずかに枠を外れた。
 
 59分、ハンブルクのマフライがコルドバを倒して退場(警告2回)すると、数的優位を受けてケルンは攻勢に立ち、大迫も積極的に前線に姿を見せるようになる。64分にはペナルティーエリア手前からミドルでゴールを狙った(枠外)。
 
 しかし、ケルンは組織プレーがまだ熟成しておらず、なかなか効果的な攻めが見られない。ハンブルクが人数をかけて守るなか、大迫も欲しいタイミングと位置でボールを得ることができず、良い走り込みを見せて味方がパスを出しても、相手DFが好反応でこれをカットした。
 
 対するハンブルクは、28分にCKからハーン、34分にはFKからウッドがゴールを奪うなど、敵地で効率の良い攻めを見せ、後半はカウンターでチャンスを幾度も掴む。ボールを持つ時間は少なくても、主導権は彼らが握っていたと言っても良かった。
 
 そして試合はアディショナルタイムへ。主審の負傷退場、VARの導入などにより13分という長い時間が設けられたなかで、ケルンはコルドバのアシストを受けたセーレンセンのゴールで1点を返す。その起点となったのは、左サイドからゴール前のコルドバに長いクロスを通した大迫だった。
 
 沸き立ったホームのサポーターたちだったが、それから3分後、ケルンはパスカットからエクダルに左サイドを攻略され、彼のクロスが中央のホルトビーに渡って万事休す。1-3でホーム初戦を落とすこととなった。
 
 このプレーでは、エクダルを後方から追いながら振り切られた大迫。終了間際にはCKからフリーでの得点機を得たものの、渾身のシュートはGKマテニアのセーブに遭い、今シーズン初試合での初ゴールはならなかった。
 
 随所に良さは見せた大迫だが、試合を通してみるとそのパフォーマンスは決して満足のいくものではなく、周囲との連係も含め、まだまだ改善が必要と感じさせられた。とはいえ、復帰初戦ということを考えれば、よく動いて90分をピッチ上で過ごしたことは何よりの収穫だったとも言えよう。
 
 なお、酒井は結局、今回もプレー機会は訪れなかったが、ピッチ外から奮闘する仲間を鼓舞するキャプテンの姿が幾度も見られた。
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