バルサが補強で苦戦、コウチーニョとデンベレは1億ユーロでも…

2017年08月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

超巨額資金が世界に知れ渡ったことで…。

コウチーニョ(左)もデンベレ(右)もチームに違いをもたらせるプレーヤーであることには違いないが、それだけにその交渉も一筋縄ではいかない。 (C) Getty Images

 やはりその超巨額マネーがもたらす影響は計り知れない。8月3日にブラジル代表FWのネイマールをパリSGに引き抜かれたバルセロナは、その後釜となるタレントの獲得で錯綜している。
 
 パリSG移籍を望んだネイマールを手放す代わりに、契約解除違約金の2億2200万ユーロ(約284億円)を受け取ったバルサ。手にしたビッグマネーについてジョゼップ・マリア・バルトメウ会長は、「今は新しい選手を狙っている。ネイマールの放出で得た資金を使うつもりだ」と補強費に回すと明言している。
 
 しかし、意気込む会長との言葉とは裏腹に、ターゲットに据えている選手との交渉が難航しているのが現状だ。現地時間8月9日には英国メディア『BBC』が、リバプールがフィリッペ・コウチーニョに対するバルサからのオファーを蹴ったと報じている。
 
 英紙『テレグラフ』によれば、バルサは7月28日にもリバプールに8000万ユーロ(約116億円)でコウチーニョ獲得の話を持ち掛けたものの足蹴にされ、ネイマール退団決定後の8月9日に1億ユーロ(約128億円)で再オファーしたものの、これにもリバプールはなびかなかったという。
 
 複数の現地メディアによれば、今年1月にリバプールと2022年6月までの契約を締結したコウチーニョは、バルサ移籍に興味は示しているものの、「彼を売りには出していない」と話す指揮官のユルゲン・クロップから厚い信頼を得ているため、今夏の退団は考えていないという。
 
 コウチーニョがリバプール残留へ意志を固めつつあるなかで、バルサが並行して進めているのが、ドルトムントに所属するフランス代表FWのウスマンヌ・デンベレの獲得だ。
 
 一昨シーズンにフランスのレンヌで開花した20歳の超新星は、昨シーズンにドルトムントへ移籍。初挑戦となったブンデスリーガでもその才能をいかんなく発揮し、今やメガクラブ垂涎のアタッカーとなっている。
 
 そんなデンベレに対してバルサは同じく1億ユーロ・クラスのオファーを検討中と伝えられるが、その額ではドルトムントは納得しそうにない。イギリス・メディア『スカイスポーツ』は、「ドルトムントは1億3500万ユーロ(約172億8000万円)を支払うようバルセロナに通達した」と伝えている。
 
 バルサがコウチーニョとデンベレに用意している1億ユーロは、言うまでもなく超巨額だ。にもかかわらず、バルサが首を縦に振ってもらえないのは、リバプールとドルトムントにとって両選手が欠かせない存在であるうえに、やはり超巨額の"ネイマール・マネー"が懐に収まっているのを世界に知られてしまっているからだろう。交渉相手にはいずれも足元を見られ、強気な振る舞いをされているのが現状である。
 
 今後もリバプールとドルトムントが交渉において値引きが通じる可能性は低く、バルサが言い値を受け入れる以外に2人の獲得は難しいかもしれない。はたして、バルサはネイマールの穴を埋めるに相応しいクラッキをチームに招き入れられるのだろうか? 移籍市場が閉じる8月31日までその動向から目が離せない。
 
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