【現役の眼】元日本代表MF、橋本英郎がおススメする「今季Jリーグの必見ボランチ10選」(前編)

2017年08月07日 橋本英郎

井手口選手の成長速度を速めているのは…。

ガンバではすれ違いとなったが、橋本と今野は代表で共にプレー。「ヘディングの強さはボランチで突出」と評する。写真:川本学

 サッカーダイジェストWebの読者のみなさん、こんにちは。不定期掲載のコラム、その第2弾です。
 
 今回は今季のJリーグで活躍しているボランチの中から、僕がお薦めする必見の10選手を取り上げたいと思います。あくまでも個人的な見解なので、試合観戦される時のひとつの見方として読んでもらえれば幸いです。
 
 前回利用した「ゾーン分け」をもう一度確認させてください。フィールドを3分割して、自陣ゴール前が「ゾーン1」、中盤エリアが「ゾーン2」、相手ゴール前の「ゾーン3」。それぞれのボランチがどのゾーンで強みを発揮するのかも書き記したいと思います。
 
 とくに順番に深い意味はありません。では、スタートです。
 
[File 1]
ニウトン(ヴィッセル神戸)

 彼の得意なゾーンは、ゾーン1とゾーン3にあると思います。つまり、両ゴール前で力を発揮するボランチです。
 
 身体の強さを活かして、良いポジショニングからのボール奪取やヘディングでのクリア、そして、セットプレーやセンタリングからのヘディングでの得点が見どころでしょう。
 
 日本人選手は、基本的にはパワーで向かってくる相手があまり得意ではありません。その点を彼は十分理解していて、両ゴール前で力を発揮しているのだと思います。中盤エリア(ゾーン2)でも球際の部分で優位に立つことが多く、ボランチの選手としては、日本人にあまりいないタイプだと思います。
 
[File 2]
今野泰幸(ガンバ大阪)

 ふたり目はコンちゃん。二川(孝広)選手の推薦がありました、ガンバで一緒にプレーした時に感じるところがあったようです。
 
 僕個人としても、日本代表で共にプレーしました。彼もまた、ゾーン1とゾーン3の両ゴール前で存在を誇示するタイプです。センターバックでもプレーできるように、守備の能力に長けています。センターバックとしては大きくありませんが、ヘディングはそうとう強い。ボランチの中では突出しています。
 
 ゾーン3の相手ゴール前エリアで、タイミングのいい抜け出しや、みずから得点を奪えるポイントに入っていくのが巧い。最近の代表戦では、その能力を買われて少し上がり目のポジションをこなし、しっかり結果も残していますね。
 
 中盤エリアでは、守備能力を存分に発揮します。豊富な運動量がそれを可能にしていて、広範囲をカバーしています。基本的に、自力でボールを奪取する場面が多いプレーヤーです。
 
 彼の存在が、ガンバの井手口(陽介)選手の成長速度を飛躍的に上げていると見ています。スタイルがコンちゃんのそれに似ているため、良いプレーモデルになっているのではないでしょうか。日本代表では、セレッソの山口(蛍)選手とプレーモデルが重なりますね。

次ページそのパスを間近で見て、自分の成長に繋げることができました。

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