【甲府】G大阪戦勝利の陰にあったいくつかの変更点。674分ぶりの得点、11試合ぶり白星の舞台裏

2017年08月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

G大阪に対してひたすら耐える展開にならなかった甲府。

ウイルソンのゴールで674分ぶりのゴールが生まれた甲府。これが11試合ぶりの勝利に導く決勝弾となった。(C) J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ20節]甲府 1-0 G大阪/8月5日/中銀スタ
 
 甲府は10戦勝ちなしの苦境に陥っていた。8月5日の第20節・G大阪戦で、吉田達磨監督が採った策はセンターラインの入れ替え。GKに起用されたのが今季初先発の河田晃兵。アンカーに入った島川俊郎はJ1通算2度目の先発出場だった。5バックの中央に入った新井涼平も、前節は中盤で出場している。
 
 吉田監督は用兵の狙いをこう説明する。「前回(の鹿島戦で)大量に失点したことは事実で、戦術的な綻びも見られた。単純にガンバ大阪を分析してファン・ウィジョ、長沢(の2トップ)は高さもありますけれど、(新井の)スピードというところは絶対に必要になってくると思った。裏へのボールを新井や新里が跳ね返したり、ヘディングで触ったりしたセカンドボールを回収するというところは島川。そういういくつかの狙いの中でセンターラインを替えました」
 
 甲府は6試合連続でゴールを奪えていなかったが、前節は3失点を喫して堅守にも綻びが見えていた。まず「相手の強みを消す」という部分で、この新布陣が実際に機能した。
 
 もうひとつ大きかったのが、センターバックにスピードのある選手が3枚並び、ラインを高くとれたこと。
 
 新井はこう説明する。
「前の選手が孤立するというのは良くないですし、(FWに)気持ちよくプレーしてもらうことを考えると、全体でコンパクトに保ったまま動き続けることが大事だと思った。普段はそんな上がらなかったりしますけれど、そこは意識的に上げた。コンパクトになるべくみんなが近い距離でと意識していた。ボランチとも近い距離でやるというのを話していた。(自分は)ボランチをやっていたのでその辺の感覚も持っている」
 
 優勢とまでは言えないが、強敵のG大阪に対して甲府は「ただひたすら耐える」という展開に陥らなかった。そして残り15分を切ってから、流れは明らかに甲府へ移る。狙いを持ったクリア、縦パスがFWに入り、そこに中盤が絡むカウンターの形が生まれていた。

次ページエデル・リマはリードを奪った後も攻め上がり続けた。

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